「どうすれば素晴らしい営業人材を確保できるのか?」という問いに答えを見つけられずにいる採用担当者のみなさん、その悩みを解決するヒントを提供します。
営業の世界は時代の流れとともに大きく変わりつつあります。昭和の頃には「ITを使用しない、足を使って結果を出す営業」が主流でした。それが平成に入り、「ITを活用する営業」へとシフトしました。そして今、令和の時代には「ITツールだけで解決できない課題を補う営業」が求められています。
営業職の採用には様々な方法が存在しますが、それぞれ採用単価という視点から見るとどうなるのでしょうか。また、採用単価を抑えるための工夫とは何かを探求していきましょう。
目次
- 営業職の採用状況と求職者の動向
●有効求人倍率からみた営業職採用の現在
●営業職転職を希望する求職者の傾向 - 【新卒・中途採用】営業職の平均採用費用
●抑えるべき!採用コストと採用単価の違い
●新卒採用の営業職の平均採用費用
●中途採用での営業職の平均採用単価 - 営業職の採用コストを削減する5つのポイント
●求人媒体の見直しを行う
●リファラル採用の導入
●ダイレクトリクルーティングの活用
●採用サイトの作成・運用
●カジュアル面談の導入
- まとめ
営業職の採用状況と求職者の動向
我々が生活する社会は、テクノロジーの進化により、大きな変動を遂げています。パソコンとインターネットさえあれば、どこからでも仕事ができるという、フレキシブルな働き方が可能となったのです。
また、大量生産・大量消費というパラダイムが終焉を迎え、消費者のニーズはますます多様化しています。その結果、営業の役割も大きく変わりつつあります。かつての「この商品はお客様にぴったりです。お試しください」という営業マンの言葉に対し、現代の消費者はインターネットを駆使して自分で情報を収集し、自己判断を行います。
このような状況下で、営業職の採用に当たっては、現在の営業職の立ち位置や求職者の傾向をしっかりと理解することが必須となります。良質な人材を確保するためには、それらの情報をもとに適切な採用戦略を立てることが必要です。
それでは、最初に営業職採用の現状と、求職者の傾向について詳しく見ていきましょう。
有効求人倍率からみた営業職採用の現在
有効求人倍率という言葉をご存知でしょうか。これは、仕事を求めている人々(求職者)と、仕事を提供している企業(求人)の間の関係性を数値化したものです。具体的には、「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で割った数値のことを指します。
この倍率が1を超えるということは、求職者一人当たり求人が一つ以上あるということを意味します。つまり、企業側から見れば採用したい人材が多い状況です。逆に1未満であれば、求職者の方が多く、仕事を得る競争が激しいと解釈できます。
現在、営業職の有効求人倍率は1.78倍となっています。この数値から見ても、他の職種と比較して営業職の人手不足が深刻であることが明らかです。
近年、ITやデジタル技術の進化により、伝統的な飛び込み営業や訪問営業が敬遠される傾向が見られます。さらに新型コロナウイルス感染症の影響で、感染リスクを最小限に抑えるため、人との接触を避ける動きが増えています。
これらの変化により、営業職もITやデジタルを駆使した新しい形の営業スタイルが求められるようになりました。その結果、営業職のスキル向上や専門性が進んでいます。
しかし、この変化が求職者と企業間でのスキルミスマッチを生んでいるとの指摘もあります。つまり、求職者が持っているスキルと企業が求めるスキルが一致しないケースが増えているのです。これが営業職の採用が厳しくなっている一因とも言えるでしょう。有効求人倍率という言葉をご存知でしょうか。これは、仕事を求めている人々(求職者)と、仕事を提供している企業(求人)の間の関係性を数値化したものです。具体的には、「月間有効求人数」を「月間有効求職者数」で割った数値のことを指します。
この倍率が1を超えるということは、求職者一人当たり求人が一つ以上あるということを意味します。つまり、企業側から見れば採用したい人材が多い状況です。逆に1未満であれば、求職者の方が多く、仕事を得る競争が激しいと解釈できます。
現在、営業職の有効求人倍率は1.78倍となっています。この数値から見ても、他の職種と比較して営業職の人手不足が深刻であることが明らかです。
近年、ITやデジタル技術の進化により、伝統的な飛び込み営業や訪問営業が敬遠される傾向が見られます。さらに新型コロナウイルス感染症の影響で、感染リスクを最小限に抑えるため、人との接触を避ける動きが増えています。
これらの変化により、営業職もITやデジタルを駆使した新しい形の営業スタイルが求められるようになりました。その結果、営業職のスキル向上や専門性が進んでいます。
しかし、この変化が求職者と企業間でのスキルミスマッチを生んでいるとの指摘もあります。つまり、求職者が持っているスキルと企業が求めるスキルが一致しないケースが増えているのです。これが営業職の採用が厳しくなっている一因とも言えるでしょう。
営業職転職を希望する求職者の傾向
営業職は、その特性上、未経験でも挑戦の門が広く開かれている職種であり、必要とされるのは特別な資格よりも、むしろ熱意やコミュニケーション能力といったスキルです。
そのため、「キャリアを一段階進めたい」「自身のスキルセットを拡大したい」と志向する求職者たちが、営業職を目指す傾向が見られます。
さらに、営業職は自身の努力や成果が直接評価につながり、報酬もその成績に応じて変動するインセンティブ制度を設けていることが一般的です。このような環境は、「自分の頑張りが評価される場所で働きたい」「仕事のやりがいを実感したい」という求職者にとって、大きな魅力となっています。
このように、営業職は自己啓発やキャリアアップを望む求職者、または自分の努力が明確に評価される場所を求める求職者からの注目度が高いと言えます。
【新卒・中途採用】営業職の平均採用費用
営業職における新卒者の採用と中途採用では、その採用にかかる費用、いわゆる「採用単価」にはどれほどの違いがあるのでしょうか。この問いに答える前に、まず「採用コスト」と「採用単価」の違いを理解することが重要となります。採用活動を進める際には、これらの概念を把握しておくことで、より効率的でコストパフォーマンスの高い採用計画を立てることが可能になります。本稿では、これらの違いをわかりやすく解説し、さらに営業職における採用単価についても詳しく解説します。
抑えるべき!採用コストと採用単価の違い
採用コストとは、企業が新しい人材を雇うために必要な全体的な出費のことを指します。新卒者を雇うか中途採用するか、一般的な職業を求めるか専門的な職業を求めるかにより、必要な出費の総額は変動します。
この採用コストは、'外部コスト'と'内部コスト'の二つのカテゴリに分けられます。コストを計算する前に、これらのコストの詳細を理解することで、採用の予算を見直したり、無駄な支出があったかどうか確認する際に役立ちます。
新卒採用の営業職の平均採用費用
従業員数が300人未満の企業では、採用単価は約65.2万円です。300人から999人の企業では、平均採用単価は80.2万円となります。1,000人から4,999人の企業では、平均採用単価は72.9万円です。そして、5,000人以上の大企業では、平均採用単価は59.9万円となっています。
この情報は、 採用コストの計算方法に関するリファレンスガイド「中途・新卒1人あたり平均は?採用管理システム導入で削減|BOXIL Magazine」から引用したものです。
大企業ほど採用単価が低くなる傾向があります。これは、新卒採用がシステム化、またはプロセス化されていることを示しています。その結果、大企業はより効率的な採用プロセスを実現し、採用にかかるコストを抑えることができます。
中途採用での営業職の平均採用単価
中途採用とは、特定の能力や経験を有する人材を対象にした採用のことを言います。これは新卒採用とは異なる特性を持っており、そのため、求職者に対する広告の費用や人材仲介業者への手数料が一般的には高額になります。
それぞれの企業の規模による、営業職の中途採用にかかる平均的なコストは以下の通りです。
以上のデータを見ると、従業員数が300人未満の企業が中途採用の平均単価が最も安く、一方で、従業員数が1,000~4,999人の企業では最もコストがかかっていることがわかります。
参考: 採用コストの計算方法 - 中途・新卒1人あたり平均は?採用管理システム導入で削減|BOXIL Magazine
営業職の採用コストを削減する5つのポイント
営業職の採用費を削減しながら魅力的な人材を獲得するための5つのポイントについて説明します。
求人媒体の見直しを行う
求人情報を提供する媒体は数多く存在し、その中でも特に知名度が高い大企業や有名なプラットフォームに、求職者の注目が集まりやすいという現状があります。
あなたの企業が求人情報を繰り返し掲載しているにも関わらず、なかなか求職者からの反応が得られない場合、その原因の一つとして、「自社が利用している求人媒体が、本当に自社の求める人材を引き寄せるためのニーズを満たしているかどうか」という視点で見直すことが必要でしょう。
求人媒体を再評価する際には、さまざまな媒体から情報を集め、それぞれのメリットやデメリットを比較・検討することを推奨します。これにより、自社の求める人材をより効率的に、そして効果的に引き寄せる媒体を選択することができるでしょう。
リファラル採用の導入
リファラル採用は、一言で表すならば「社員の人脈を活用した採用方法」です。これは、社内のメンバーが自身の知人や友人を会社に紹介するという形で行われます。この手法の大きな強みは、採用に関する費用を大幅に抑えられる点にあります。
具体的には、自社の社員が採用のための情報を提供するため、人材採用の担当者として機能します。その結果、紹介された候補者は直接企業の最前線で活躍する社員からの生の情報を得られ、その組織が自分に合うかどうかの判断がより明確になります。また、紹介者が実際に企業で働いている社員であるため、候補者と企業の間に価値観のミスマッチが生じにくく、早期退職を防ぐ効果も期待できます。
しかしながら、リファラル採用には一定の注意点も存在します。その一つが、この手法が社員が自社を推奨したいと考えていることを前提としている点です。つまり、社員が自社の魅力を伝える意志がなければ、リファラル採用は機能しません。また、採用可能な人数が確定的でないため、採用計画の安定性には欠けるという側面もあります。そのため、リファラル採用を有効に活用するためには、常に社員に対してその意義を伝え、協力を呼び掛ける努力が必要となります。
ダイレクトリクルーティングの活用
かつて、企業が人材を採用する際の一般的な手法は、求人募集を行い、その後、応募があった求職者からの連絡を待つという受け身のスタイルでした。しかし現在では、「ダイレクトリクルーティング」という新たな採用方法を用いる企業が増えています。
この「ダイレクトリクルーティング」は、企業自身が積極的に自社に最適な候補者を見つけ出し、直接その候補者にアプローチを行う手法を指します。「保険業界の知識を持つ営業人材が欲しい」「Web技術に精通した人材を採用したい」といった、特定の能力や経験を持つ人材を求める際に特に有効な方法です。
しかし、ダイレクトリクルーティングにはスカウト対象者の選定に時間を必要としますし、対象者からの返信率を上げるためには工夫を凝らしたアプローチ文の作成も必要です。そのため、この方法では内部での人的・時間的なコストが増える可能性も覚悟しなければなりません。それらを踏まえた上で、自社の採用戦略にダイレクトリクルーティングを取り入れることを検討してみてください。
採用サイトの作成・運用
採用に関するコストを最小限に留めるためには、企業側からの積極的なアプローチが必要不可欠です。
我々の会社をより魅力的に見せるために、自社の特性や社員のプロフィール、福利厚生制度などを詳細に紹介する採用サイトを作成しましょう。このようなサイトを通じて、多くの求職者に自社への興味を引き立てることが可能となります。
採用の申し込みや面接の段階において、求職者が企業についてより深く知ることが可能になれば、それは彼らの疑問や不安を解消するだけでなく、採用への意欲を一層高める効果も期待できます。これは、求職者が自社への理解を深めることで、より良い採用結果を生む可能性が高まるからです。
カジュアル面談の導入
「この企業に興味があるけど、本当に応募していいのかな...」「面接では緊張して、自分の思いをうまく伝えられないかも...」そんな悩みを抱えている求職者の方も多いのではないでしょうか。
やや非公式な設定の「カジュアル面談」は、求職者がその企業の事業や商品、働く人々、そして価値観をより深く理解するための機会を提供します。それにより、求職者は自分がその企業で働きたいと思うかどうかを判断するのに役立つ情報を得ることができます。
カジュアル面談を導入することで、元々その企業に興味がなかった求職者であっても、企業への応募を考えるきっかけを作ることができるかもしれません。また、企業と求職者の間の誤解やミスマッチを防ぐ効果も期待できます。
カジュアル面談の主な目的は、企業の魅力や事業内容を求職者に理解してもらうことです。したがって、企業側は、可能な限り多くの情報を効果的に伝えることを心掛けましょう。