企業における求人募集は、基本的に新卒採用と中途採用の2つのカテゴリーに分けられます。新卒採用は企業独自の価値観や業務スタイルに未染の若者を求める場合に選択され、一方で中途採用はすぐに業務に対応できる経験者を探している際に活用されます。
しかし、中途採用を行いたくても、予算的な制約から人材育成に十分な資金を充てられない企業も少なくないでしょう。特に、中途採用の採用単価の高さについては、企業の悩みの一つとなっています。
この記事では、そんな悩みを解消するための情報提供を目指します。具体的には、中途採用の採用単価の計算法、その平均相場、なぜ中途採用の採用単価が高くなるのかという理由、そして採用単価を抑制するための効果的な採用方法について詳しく解説していきます。
目次
- 中途採用 | 採用単価の計算法と平均相場
●中途採用の採用単価計算方法について
●中途採用の平均採用費用 - 中途採用が高額とされる理由
●即戦力となる人材の不足
●離職率の増加
- 抑えた採用単価のための採用手法8つ
●自社のウェブサイト作成
●ダイレクトリクルーティングの実施
●Wantedly社について
●リファラル採用を行う
●HERP Hire(ハープ ハイヤー)
●ソーシャルリクルーティングの実施
●求人検索エンジンを活用する
●Indeed(インディード)
- 採用単価を上手に抑えるための欲しい人材を採用するポイント
●採用手続きの見直し
●内定者達へのフォロー
●採用ミスマッチをなくす
●国や自治体の助成金を活用する方法
●採用サイトを強化する
- まとめ
中途採用 | 採用単価の計算法と平均相場
ここでは中途採用の採用単価の平均相場や、採用単価をどのように計算するのかを解説します。
中途採用の採用単価計算方法について
採用単価は、会社が新しいメンバー一人を迎え入れるために必要となる費用を示す指標となります。その具体的な算出方法は以下の通りです。
採用単価 = 採用に関連する費用の総額 ÷ 採用が成功した人々の数
採用に関連する費用とは、企業内で発生する「内部コスト」と外部に発生する「外部コスト」の総計を指します。内部コストは、採用活動に関与する社員の人件費など、自社内で発生する費用を指します。一方、外部コストは、企業説明会の会場費用や、求人情報を掲載する媒体に対する広告費用など、社外への支払いを含む費用です。
例として、採用に関わる全体のコストが100万円、そして採用に成功した人数が10名であったとします。この場合、100万円を10名で割ると、一人あたりの採用単価は10万円となります。これが採用単価の計算例です。
この採用単価を知ることで、企業は採用活動の効率性やコストパフォーマンスを評価し、改善のための具体的な指標を得ることができます。
中途採用の平均採用費用
リクルート株式会社がまとめた「就職白書2020」と「就職白書2019」によれば、2018年から2019年にかけて中途採用の採用単価平均相場が約20万円も増加していることが明らかになっています。これは中途採用市場がますます厳しさを増していることを示しており、採用担当者にとって大きな課題となっています。
年度別に見ると、2019年の中途採用の採用単価平均相場は103.3万円となっています。一方、その一年前の2018年では、84.8万円でした。
また、「就職白書2019」によれば、業種によっても中途採用の採用単価平均相場には大きな違いが存在します。例えば、製造業の中途採用の採用単価平均相場は、金融業に比べて約2倍も高いことがわかりました。
具体的には、建設業では97.8万円、製造業では102.3万円、流通業では55.5万円、金融業では58.2万円、サービス・情報業では86.8万円となっています。これに対し、全体平均は84.8万円となっています。
さらに、「就職白書2019」によれば、企業規模によっても中途採用の採用単価平均相場には異なりがあります。平均相場は約85万円で、1000人~4999人規模の企業が最も高く、108.5万円となっています。それに対し、5000人規模の企業では78.5万円、300人~999人規模の企業では83.0万円、300人未満の企業では63.6万円となっています。これらのデータからも、企業規模による中途採用の採用単価平均相場の違いが明らかになりました。
中途採用が高額とされる理由
この記事では、中途採用の採用単価が高いと言われる背景について、具体的に探求してまいります。中途採用には、新卒採用と比較してさまざまな特性があり、それらが採用単価の高さに影響を及ぼしています。これから解説していく内容を通じて、中途採用の採用単価が高いという現象の背後にある具体的な理由が明らかになることでしょう。
即戦力となる人材の不足
公益財団法人生命保険文化センターが作成した「年齢区分別の将来人口推移予測(2015年を100とした対比)」表によると、日本の全体的な人口や64歳以下の人口は年々減少する予測が立てられています。一方で、65歳以上の人口は増加の一途を辿ると見られています。
この「人生100年時代」を迎える現在、若者の人口が伸び悩んでいることが、人材採用の現場における人材の不足に直結しています。
人材が単純に不足している場面では、新卒採用か中途採用かを問わず、あらゆる人材の採用が進みます。しかし、業界経験者を中途採用したいと考えると、すでに人手不足の状況がさらに厳しさを増します。
新卒の採用者に対しては育成期間と費用が必要ですが、業界経験者の中途採用が可能になれば、そのような育成の必要性は軽減されます。そのため、中途採用による即戦力の確保は、人材育成に関するコストや労力の削減にも繋がります。
しかし、多くの企業が即戦力となる人材を求める中途採用を進めているため、そのような即戦力となる人材が転職市場で不足しています。その結果、中途採用の人材獲得コストが増加しているのです。
離職率の増加
近年、企業が直面する問題の1つに離職率の高さが挙げられます。これが、中途採用における採用単価が高騰する主因の一部となっています。
新型コロナウイルス感染症の大流行がきっかけとなり、企業の多くがリモートワークへとシフトしました。このリモートワークは、通勤時間を必要としないため、従業員が自身のプライベート時間をより確保しやすい選択肢となります。
過去数十年を振り返ると、年功序列に基づく終身雇用制度が主流で、年を追うごとに給与が上昇していました。しかし、現在ではそのような給与体系を採用している企業はほぼ皆無で、給料が容易に増えることはありません。
給与が十分で、プライベートな時間や仕事のやりがいを重視する終身雇用制度を採用している企業であれば、離職する可能性は低いかもしれません。しかし、現在は転職情報が豊富にあり、他の企業の情報を手に入れやすい環境が整っています。これにより、他者と自身の状況を比較し、離職を決断する人々が増加している可能性があります。
企業の離職率が高まると、新たな採用活動が必要となり、それに伴って採用コストが増大します。その結果、採用単価が高騰することとなります。このように、離職率と採用単価は密接な関係を持っているのです。
抑えた採用単価のための採用手法5つ
人材採用のコストは年々上昇する一方で、中途採用市場の難易度も高まっています。これらの課題に直面している企業は決して少なくありません。
以下では、特に採用担当者の皆さんに向けて、採用単価を抑えることが可能な採用方法と、その具体的な手段8つをご提案します。
自社のウェブサイト作成
多くの求職者は、まず求人情報をチェックし、その後で応募を考えている企業のウェブサイトを見つけて、求人広告には掲載されていない詳細な情報を調査することが一般的な行動パターンとなっています。
自社のウェブサイトを通じて、事業内容や関連会社、教育・研修制度などを明確に示すことで、求職者は入社後の実際の職場環境や働く様子について具体的なイメージを持つことができます。
近年、自社ウェブサイトを所有している企業が増えていることから、企業名で検索を行った際に自社のウェブサイトが見つからないと、求職者は情報が不足していると感じ、不安を抱くことがあります。その結果、応募を見送ってしまう可能性もあります。
よく整備された自社ウェブサイトを設けることで、求職者の不安を解消し、「この企業で働きたい」という意欲を後押しすることが可能となります。さらに、企業の詳細情報を理解した上で応募を行うため、企業と求職者の間で採用に至った場合でもミスマッチが発生する可能性が減少します。これにより、採用にかかるコストを効率的に抑制することが可能となります。
ダイレクトリクルーティングの実施
ダイレクトリクルーティングとは、一般的に「攻めの採用」と呼ばれる手法であり、この方法は企業が積極的に求職者にアプローチをかけるという形で行われます。
これは、企業が求人を出し求職者がその求人に応募するという、いわば「待ち」の姿勢から一歩先を行く採用のやり方と言えます。この方法は、自ら進んで良質な人材を見つけ出し、引き寄せるという意味で「攻めの採用」と呼ばれています。
ダイレクトリクルーティングには大きく「成功報酬型」と「定額型(先行投資型)」という二つの費用形態が存在します。
成功報酬型は、名前の通り採用が成功した場合にのみ料金が発生する形態で、一般的には「利用料金+採用者一人当たりの年収の一定割合」が料金となります。一方、定額型は月額や年額など、あらかじめ決められた料金を支払う形態で、採用者が決まる前に費用が発生するという特徴があります。
これら二つの料金形態にはそれぞれ特性があり、採用単価を低くするためには、定額型が有利と言えます。なぜなら、定額型では料金が明示されており、短期間で採用者が見つかれば、それだけ採用単価も抑えられるからです。
さて、このダイレクトリクルーティングは専門の業者を通さずに自社で行うことも可能です。しかし、採用担当者の負担が大きくなることから、業務の負荷には十分注意が必要です。
それでは、ダイレクトリクルーティングを行う具体的な方法について見ていきましょう。
Wantedly社について
Wantedlyというサービスは、一般的な求人サイトとは異なり、「仕事の内容」や「給与」よりも「企業の目指す目標(ミッション)」や「その企業が大切にする考え方(価値観)」を積極的に伝えることを重視しています。
このWantedlyでは、「給与」の公開は許可されておらず、仕事を選ぶ際の重要な要素として、「やりがい」や「働く環境」の良さといった点とのマッチングを優先しています。
また、このサービスの料金は月額制であり、成功報酬などは一切発生しないため、予想外に採用にかかるコストが増える心配や、複雑な追加料金が発生することはございません。
Wantedlyでは、既に登録している求職者の中から自社に必要な人材を見つけ出し、その人物に直接メッセージを送る「ダイレクトスカウト」という機能も利用できます。これにより、企業は求職者と直接コミュニケーションを取りながらリクルーティングを行うことが可能となります。
Wantedlyの公式サイトによれば、Wantedlyのスカウトに対する返信率は20%と非常に高くなっています。これはWantedlyが「やりがい」や「働く環境」といった点を優先するスタイルにより、利用者が企業の理念に共感し、気軽に応答できる環境を作り出している結果と言えるでしょう。
リファラル採用を行う
リファラル採用は、現在の社員が自らの周囲の人々を新たな候補者として推薦する採用手法であり、これは企業にとって有益な方法であると考えられます。
この手法が「縁故採用」と混同されることがありますが、それらの間には重要な違いが存在します。縁故採用の場合、社員の親族や直接の関係者が「事実上、採用が確定している状態」で紹介されるのに対し、リファラル採用では社員の友人、知人、あるいは親族が「他の応募者と同様に採用プロセスを経験する」ことになります。
リファラル採用の大きな利点は、現在働いている社員が、自社の業務内容や求める人材特性を熟知しているため、適切な候補者を紹介する可能性が高いことです。結果として、企業は自社にフィットする優秀な人材を、無料または一般的な採用コストよりも低い価格で得ることが可能となります。
さらに、リファラル採用では社員から直接フィードバックを得て採用プロセスを進めるため、新入社員が入社後に予期せぬギャップに直面するリスクも低減されます。
新入社員が期待と現実のギャップから離職すると、企業は再度採用活動を行わねばならず、これは時間と費用の二重の損失をもたらします。リファラル採用はこのような離職リスクを減らし、採用コストを抑制する効果が見込まれます。
次のセクションでは、リファラル採用の具体的な方法について詳しく説明します。
HERP Hire(ハープ ハイヤー)
HERP Hireとは、従業員自身が能動的に参加し、独立した形で採用プロセスを推進する「スクラム採用」を実現する新たな採用管理のシステムです。
従来の採用方法は、主に人事部門や採用担当者が中心となって採用活動を行っていましたが、このHERP Hireシステムでは、現場の社員も採用活動に参画します。
また、このシステムはSlackやChatworkといったコミュニケーションツールとの連携が可能で、既に企業内で使用されているコミュニケーションツールを通じて、社員自身が候補者を紹介することができます。これにより、企業全体が一体となった採用活動が、ストレスフリーかつ効率的に行えるのが特徴となっています。
このシステムの利用により、「紹介手続きが煩雑で手間がかかる」という理由からリファラル採用を見送ることがなくなります。すなわち、手軽に人材を紹介することが可能となります。
さらに、HERP Hireを用いれば、各職種ごとの採用の進行状況や、紹介経由での応募実績、さらには通過率などの情報を一元的に蓄積・管理することが可能となります。これにより、今後の採用活動に有用な情報を活用することができます。
ソーシャルリクルーティングの実施
ソーシャルリクルーティングとは、Facebook、Twitterなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用した新たな採用手法を指します。
SNSは基本的に無償で利用可能であり、それだけでなく、求職者からの応募受付や直接のコミュニケーションをとることが可能です。これにより、採用にかかる費用を効率的に抑えることが可能となります。
さらに、各SNSの特性を活かし、自社がターゲットとする層に対して自社情報を効果的に発信することができます。また、リツイートやシェアといった情報拡散機能を活用することで、広範囲の人々に対して情報を伝えることができるというメリットもあります。これは、広範囲の人々に対して採用情報をリーチすることが可能となり、多様な人材の獲得に繋がる可能性を持っています。
求人検索エンジンを活用する
求人検索エンジンとは何か、それを知っていますか? GoogleやYahoo!など、私たちが日々利用している検索エンジンがあるように、求人情報を特に取り扱うための検索エンジンも存在します。これが求人検索エンジンです。
求人検索エンジンに求人情報を掲載するための手段は主に2つ存在します。
一つ目の手段は、実際に求人検索エンジンに直接投稿を行う方法です。もう一つの手段は、求人情報が自動的に検索エンジンのシステムに読み込まれることを待つ、いわゆる「クローリング」を活用する方法です。
これらの手段は、どちらも無料で求人情報を掲載することができ、結果として採用にかかるコストを削減する効果があります。特にクローリングを利用すると、新たに求人情報を入力する手間も省くことができます。
それぞれどのような方法が存在するのか、具体的に見ていきましょう。
Indeed(インディード)
Indeedとは、自社の公式ウェブサイトによると「世界中に存在する何百万もの求人情報へアクセス可能な、世界No.1の求人検索エンジン」とされています。その特徴として、多数の求職者に対して求人情報を無償で提供することが可能であるという点が挙げられます。
無料プランを利用すれば、求人広告の掲載から採用までの一切が無償で行えます。また、クリック課金制の有料プランでは、求人広告の掲載期間や予算の設定を各企業が自由に決定できる環境が整っています。これにより、適切な運用次第で採用にかかる単価を抑えることも可能となります。
さらに、Indeedでは求人情報だけでなく、企業情報も発信することが許されています。これにより、企業の魅力を伝えることでファンを生み出すことができ、そのファンが企業を深く理解した上で求人に応募する、という状況を作り出すことが可能となります。
採用単価を上手に抑えるための欲しい人材を採用するポイント
人材採用の過程において、採用担当者が直面する課題の一つが「採用単価の抑制」でありますが、それだけを目指すのではなく、「コスト効率の良い採用」と「優秀な人材の獲得」の2つを一緒に達成することが必要です。
次に進む前に、この二つの重要な目標を達成しながら、企業が求める適切な人材を確保するための戦略について詳しく説明します。
採用手続きの見直し
企業にとって、効率的な採用方法の見直しは必要不可欠です。不必要な広告費用が存在するならば、それを削減し、反面、結果をもたらす広告媒体に対しては予算を増やすことで、全体のコストパフォーマンスを向上させることが可能となります。これにより、一人当たりの採用費用の軽減が期待できます。
具体的な見直し方としては、「現在出稿している求人広告が費用対効果に優れているか」や「広告を掲載している媒体が自社が求める人材像と合致しているか」を検証することが必要です。
自社のニーズに適した採用媒体を選択すれば、求人広告を掲載する期間が短縮され、優秀な人材に出会うチャンスも増えます。これにより、採用にかかる費用の削減が期待できるのです。
さらに、採用方法を見直す際には、単に広告を出している媒体だけに目を向けるのではなく、広告を出すタイミングや、応募者のターゲット像、さらには応募者の数や採用される人数など、全体的な視点からも分析を行うことが重要です。これにより、より効率的な採用方法を見つけ出すことができるでしょう。
内定者達へのフォロー
人材を採用する一連の流れで、最終的に採用が決定した後が最も重要なフェーズであり、ここではまだ採用活動は終わったわけではありません。
内定というのは、求人企業と求職者が互いに合意をした状態、つまり雇用契約を結ぶ前段階と言えます。しかし、この内定の段階で求職者が辞退を決断してしまうと、再度採用活動を行う必要が出てくるのです。
求職者が複数の会社から内定をもらっている場合や、内定後の企業側の対応により企業への入社意欲がなくなってしまう場合など、内定辞退は多くの理由で発生します。
この内定辞退が発生すると、企業はこれまでに掛かった採用費用が無駄になってしまうという大きな損失を背負うことになります。それを避けるためにも、内定辞退を防ぐことは採用コストを削減するための重要なポイントとなります。
内定者をしっかりとフォローアップすることで、その人が企業への入社意欲を失うことなく、安心して入社を決意できる環境を作ることが必要です。
具体的には、内定後も継続的なコミュニケーションを心がけたり、食事会や職場見学の機会を設けることで、内定者の入社後の不安を期待へと転換させ、内定辞退を防ぐことが可能となります。こういった細やかな配慮が、新たな人材を確保するための重要なステップとなるのです。
採用ミスマッチをなくす
採用の際のミスマッチは、候補者が内定を辞退したり、新入社員が早期に退職したりする原因となり、結果として採用コストが無駄になるという問題を引き起こします。
このようなミスマッチを防止し、企業と候補者双方が満足する採用活動を行うためには、候補者の不安や疑問を解消し、入社前と入社後のギャップを最小限に抑えることが重要となります。これにより、無駄な採用コストの発生を防ぐことが可能となります。
具体的に、採用のミスマッチを防ぐための手法としては次のようなものがあります。
1つ目は、企業が求める人材の像を明確にすることです。これにより、企業と候補者の間で期待値のズレを防ぐことができます。
2つ目は、求人広告に企業の良い点だけでなく、難点や改善の余地がある部分も正直に記載することです。これにより、候補者が事前に企業の実態を理解し、入社後にギャップを感じることを防ぐことができます。
3つ目の手法は、人事部門や企業の上層部だけでなく、現場の声も採用活動に取り入れることです。これにより、候補者が実際に働く環境や業務内容を把握でき、ミスマッチを防ぐことができます。
最後に、適性検査を実施し、候補者の適性を評価し、可視化することも有効な手段となります。これにより、候補者の能力や適性を客観的に評価することができ、採用のミスマッチを防ぐことができます。
国や自治体の助成金を活用する方法
採用活動において、国や自治体から提供される助成金の存在を知っていますか?これらの助成金は、企業がより良い人材を採用するための費用を補助するために設けられています。
今回は、厚生労働省が提供している「中途採用等支援助成金」と「特定求職者雇用開発助成金」に焦点を当てて解説します。
■中途採用等支援助成金
この助成金は、特定の条件を満たした労働者を採用する企業を支援するものです。対象となる労働者を採用し、指定された期間内に中途採用計画を作成し、それを管轄の労働局に報告することで助成金を受けることができます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html
■特定求職者雇用開発助成金
こちらは、社会全体が働きやすい環境を作ることを目指しています。具体的には、高齢者や障害者、母子家庭の母など、働く意欲があるにも関わらず雇用の機会が少ない人々を雇用する企業を支援するための助成金です。この制度を利用することで、採用にかかる費用を抑えるために求職者を選ぶ必要がなく、より適切な人材を採用することが可能になります。
助成金制度は数多く存在していますので、企業は自社のニーズに合ったものを探し、積極的に活用しましょう。これにより、企業の採用活動はより効果的かつ効率的に進めることが可能となります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/tokutei_konnan.html
採用サイトを強化する
採用サイトとは、単に企業の情報を伝えるだけではなく、企業が求める人材を引き寄せるための専門的なウェブサイトを指します。
この採用サイトは、一般的な求人サイトとは違い、フォーマットが固定されていないため、企業自身が自由に自社の魅力をアピールする場となります。
写真や動画を用いて職場の雰囲気を具体的に伝えたり、現在働いている社員の生の声を掲載したりすることで、「採用サイトを強化」する努力を行うことが大切です。これにより、求人サイトや人材紹介サービスを通じた採用活動よりもコストが抑えられるだけでなく、求職者の入社意欲を高めることに繋がります。また、応募者の質向上や応募数の増加にも寄与することが期待できます。
確かに、自社の採用サイトを構築・運用するには一定の費用がかかります。しかし、長期的に見れば、採用活動を何度も行う場合、自社サイトを持つことにより採用にかかる単価を節約することが可能となります。自社の採用サイトを強化することで、効率的かつ質の高い採用活動を実現しましょう。