採用オウンドメディアについて、その具体的な作成手順4ステップと成功例を紹介

2023/11/28

新たな人材を引き寄せるための重要なツールとして、採用オウンドメディアが注目されています。しかし、具体的な内容やその運用方法について十分に理解していない方も多いかもしれません。採用オウンドメディアを活用すべきかどうか迷っている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、採用オウンドメディアが何であるか、その概念を明確に説明します。さらに、その作成と運用の流れを4つのステップで紹介します。さらに、成功事例もご紹介します。これらの情報は、より効果的な採用活動を行いたいと考えている方々にとって、大変参考になるはずです。

目次

採用オウンドメディアとは何か?

採用サイトとの相違点

採用オウンドメディアとよく混同されるものの一つが、採用サイトです。採用サイトとは、具体的には採用の目的を持ったウェブサイトを指します。求職者への情報発信を行うという観点から見ると、採用オウンドメディアと採用サイトには共通点があります。
しかし、採用オウンドメディアと採用サイトは、それぞれが果たす役割において違いが見られます。採用オウンドメディアは、求職者に対して役立つ情報を提供することが主な目的である一方、採用サイトでは情報の提供とともに応募フォームへ誘導することが主な役割となっています。
それゆえに、目的に合わせてこれらを使い分けることが重要となります。例えば、「求職者に対して企業の理解度を深めてもらいたい」「企業の魅力をより広範囲に知ってもらいたい」といった目的があるならば、採用サイトよりも採用オウンドメディアの活用が効果的と言えるでしょう。

採用のためのオウンドメディアの重要性

現在、多くの企業が採用オウンドメディアの導入を真剣に考えています。なぜなら、少子高齢化により、優秀で自社に合う人材を見つけるのが日に日に厳しくなっているからです。
企業の名前やブランドがあまり知られていない場合には自社の存在を広く知ってもらうことが難しく、結果として求職者はより有名な企業に引き寄せられてしまいます。そのため応募者は減少し残された候補者の中から自社に適した人材を見つけ出さなければならないという問題が生じます。
そこで、企業の認知度向上に有効な手段として、採用オウンドメディアの利用が注目されています。スマートフォンの普及に伴い、多くの求職者がモバイルデバイスを使って情報を検索する現代において、企業が自社の魅力を効果的に伝えるためには、このようなメディアの活用が欠かせません。


オウンドメディア活用による採用のメリット

ここでは、採用オウンドメディアを活用することのメリットについて詳しく説明します。この採用オウンドメディアを上手く活用することで得られるメリットは、大きく分けて以下の三つとなります。
まず一つ目は、潜在的な応募者層に効果的にアプローチできるという点です。採用オウンドメディアは、自社の魅力を伝え、興味を持ってもらえるコンテンツを発信することができます。これにより、まだ自社を知らないかもしれない潜在的な求職者たちに対して、自社の存在や価値観を知ってもらい、興味を持ってもらうことが可能となります。
次に、入社後のミスマッチを減らせるという利点があります。採用オウンドメディアでは、自社の文化や働く環境、ビジョンなどをリアルに伝えることが可能です。これにより、求職者は自分がどのような会社で働きたいのか、自社がそのイメージに合致するのかを事前に確認でき、結果として入社後のミスマッチを減らすことが可能となります。
最後に、採用オウンドメディアは、企業の重要な資産として残るというメリットがあります。時間が経っても価値が変わらない情報を一貫して発信し続けることで、企業のブランド価値を高め、長期的な採用活動に寄与することができます。これらのメリットを理解し、採用オウンドメディアを適切に活用することで、より効果的な採用活動が可能となります。

次に、それぞれの点について詳しく見ていきます。

潜在層へのアプローチ

採用オウンドメディアの活用は、潜在的な求職者へのアプローチを可能にします。これは大きな利点であり、その理由について説明します。
オウンドメディアを上手に活用すれば、現在は転職活動自体に興味がない人々に対しても、自社の存在を知ってもらうことができます。自社について知り、興味を持ってもらうことができれば、これらの潜在的な求職者が転職活動を始めたときに、彼らが自社を選んでくれる可能性が生まれます。
転職活動を行っている人々だけを対象とした従来の採用方法は、必ずしも効率的とは言えません。なぜなら、優秀な人材は常に他の企業によっても狙われており、その結果、競争が激化してしまうからです。それよりも、自社の魅力を積極的に発信し、自社のファンを増やすことで、将来的に自社に応募してくれる人々を増やす方が、より効率的であると言えるでしょう。このように、採用オウンドメディアの活用は、新たな採用の可能性を広げる素晴らしい手段となるのです。

職場でのミスマッチに減らせる

企業が完全に理解されていない候補者を採用した場合、採用時のミスマッチが生じる危険性があります。候補者が入社してから「これは私が予想した働き方とは違う...」と感じた場合、その結果として早期退職につながることがあります。
入社後に早期退職が起きた場合、その候補者を採用するために投下したリソースや労力はすべて無駄になってしまいます。さらに、再度の採用活動を行う必要があるため、追加のコストや手間が発生してしまいます。
採用オウンドメディアは、求職者の自社理解度を向上させるツールとして非常に有効です。採用のミスマッチは求職者と企業双方にとって避けたい事態であり、そのために採用オウンドメディアを活用し、企業の理解度を深めることが大切です。」

資産として残る

採用オウンドメディアの一つの大きな魅力は、一度作り上げれば半永久的にその価値が続く点です。もちろん、情報が変更された場合には更新作業が必要となりますが、公開の範囲内であれば、求職者に対して自社の魅力を継続的に伝えることが可能となります。
一方、一般的な採用サイトでは、主に応募要項など具体的な情報が掲載されています。そのため、一年間の採用活動が終了すると、その情報はすぐに古くなってしまい、次の年度には全く新しい情報で再作成する必要が出てきます。
しかし、採用オウンドメディアの主目的は自社の魅力を伝えることにありますので、その内容は時期により大幅に変更する必要はありません。コンテンツを増やすほど、情報が蓄積され、その結果として求職者により見つけやすくなるという利点があります。つまり、採用オウンドメディアは一度投資すれば長期に渡ってその効果を享受できるという点で、持続的な価値を持つ資産と言えるでしょう。


採用オウンドメディア活用のデメリット

採用オウンドメディアを用いた採用活動は、その魅力を理解している方なら誰もが効果的であると認識しています。しかし、その一方でデメリットも存在することを覚えておくことが大切です。メリットだけでなく、デメリットもしっかりと認識することで、より効果的な採用活動を行うための戦略を立てることが可能になります。
そこで、このセクションでは、採用オウンドメディアを活用する際のデメリットについて解説します。ここで取り上げるデメリットは、主に次の2つです。
1つ目は、成果が出るまでに時間がかかるという点です。採用オウンドメディアは、企業の魅力を訴求し、優秀な人材を惹きつけるための長期的な戦略であり、短期間で結果が出るものではありません。これは、一度に膨大な数の応募者を得ることは難しいという意味でもあります。
2つ目のデメリットは、サイト運用の知識を身につける必要があるということです。採用オウンドメディアを効果的に運用するには、ウェブサイトの開設や管理、SEO対策など、専門的なスキルと知識が必要です。それらを身につけるためには、時間と労力が必要となります。

次にそれぞれのデメリットを説明していきます。

成果が出るまで時間がかかる

採用オウンドメディアという手法は、即座に成果が目に見えるものではないのです。新たに立ち上げたばかりのオウンドメディアが、すぐに求職者の目に触れる可能性は低く、初期ステージでは投資する時間や費用が大きくなる傾向にあります。
しかし、これは長期的な視点で見ると、その価値は明確になります。Webサイトを継続的に運用し、リッチなコンテンツを提供することで、求職者が自然とあなたの企業の情報に辿り着きやすくなります。そして、その結果として、安定した数の応募を獲得できる可能性が高まります。
さらに、このアプローチにより、人材紹介会社などを通じて新たな人材を見つけるための費用を抑えることも可能となります。つまり、時間をかけてじっくりと採用オウンドメディアを育てることで、長期的な採用戦略における費用対効果を向上させることが期待できるのです。

サイト運用の知識を身に着ける必要がある

採用オウンドメディアを立ち上げただけでは、大きな成果を見込むことは難しいのが現実です。オウンドメディアを公開した後も、「どのようにアプローチすれば、求職者の視野に入るのか」や「どの種類の情報を提供すれば、求職者にとって価値があるのか」を探求し、試行錯誤を繰り返すことが必要となります。
採用オウンドメディアを効果的に運用し、目的を達成するためには、ウェブサイトの運用やマーケティングの基本的な知識をしっかりと身につけることが必要です。これらの知識は、求職者に対して魅力的な内容を提供し、さらに求職者の関心を引きつけるための重要な要素となります。

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採用に関するオウンドメディアに記載するべき内容

採用オウンドメディアで紹介する主な内容

仕事の詳細
我々のビジョン

仕事の詳細内容

職務内容とは、応募する職種や役職の具体的な仕事内容、該当する職務の目的、そのために必要な技能や学歴等の詳細を指します。これらの詳細は、求職者が自分自身が求めている仕事やポジションが本当に該当するものなのかを見極めるために欠かせない情報です。
この職務内容を記載する際には、求職者がその職場で働く際の具体的なイメージを持つことができるよう、細部まで詳しく説明を加えることが重要です。仕事の日常の風景を描き出すような情報を提供することで、求職者は自分が求めている職種や役職にマッチする職場かどうかをより具体的に理解することができます。

自社ビジョンの説明

自社のビジョンとは、一言でいうと、自社がどのように進化し、どのような未来を追求するのかを明示した宣言です。これは、求職者に対するメッセージでもあり、自社のビジョンに共感してもらえると、採用時に誤解や不一致が生じる可能性が減ります。
このビジョンを作成するときには、専門用語や自社だけが理解できる表現を避けることが重要です。どんな人が読んでもすぐに理解できる内容にすることで、求職者が自社のビジョンに共感しやすくなります。このように、ビジョンは企業の魅力を伝える強力なツールとなるのです。


採用オウンドメディアを開始するステップ

ここでは採用オウンドメディアを立ち上げるためのステップバイステップのプロセスを詳しく説明します。オウンドメディアを設立するにあたっては、具体的な流れが存在します。以下にその詳細を述べていきましょう。
まず最初に、自社のオウンドメディアの目的を明確にすることが必要です。これは何を達成したいのか、何を伝えたいのか、どのような価値を提供したいのかといったことを具体的に明確にするステップです。目的が明白でないと、後のステップで混乱を招く可能性があるため、必ず最初に行う必要があります。
次に、オウンドメディアのコンセプトを決定します。これはオウンドメディアの全体的な雰囲気やトーン、対象とする読者層などを決定する段階です。コンセプトが明確でなければ、読者に対するメッセージがブレる可能性があるため、しっかりと考えて決めることが重要です。
その次に、コンテンツの内容を決定します。これは記事のトピックやカテゴリー、コンテンツの形式(テキスト、動画、画像など)を決めるステップです。コンテンツはオウンドメディアの核心部分であり、読者に価値を提供する主要な手段なので、慎重に選ぶ必要があります。
最後に、KPI(Key Performance Indicator)を設定します。これはオウンドメディアのパフォーマンスを測定するための指標を設定するステップです。KPIを設定することで、オウンドメディアの成功を定量的に評価することができ、改善点を見つけ出すための重要な手段となります。

①目的を明確にする

採用オウンドメディアを作成する際の最初のステップは、その目的をはっきりと定めることです。目的が不明確なまま進めてしまうと、何を伝えるべきか、どのような情報を提供すべきかの判断が難しくなります。結果として、本来伝えるべき重要なメッセージが、不必要な内容に覆い隠されてしまう恐れがあります。だからこそ、目的を明確にすることが重要となるのです。

②コンセプトの決定

採用オウンドメディアの制作において、最初のステップが目的設定であるなら、次の一歩はそのコンセプトを明らかにすることです。
具体的なコンセプトを設定するためには、あなたがどのタイプの人材を採用したいと考えているのか、明確にすることが不可欠です。あなたが採用したいと望む人材が明らかになったなら、次に考えるべきは、その人材がどのようなオンラインプレゼンスに引きつけられるのか、という問いについて深く思索することです。
採用を望む人材があなたの企業のウェブサイトを訪れたとき、どのような印象を持つことを願っていますか?これを理解することで、コンセプト設定はより容易なものとなります。自社の特性や魅力をリストアップし、それらをどのように強調するかを決定しましょう。あなたの企業が人材に対して何を提供しているのか、どのような価値を持っているのかを明確に伝えることが、成功への道筋を描く上で重要となります。

③コンテンツ内容の決定

企業の魅力を伝えるためのコンセプトが固まったなら、次に挑むべきは具体的なコンテンツの内容を定めるタスクです。自社が発信したい情報と、求職者が知りたい情報が一致しない場合もあります。そのため、どの情報が必要かを精査するステップが必要となります。
また、求職者は自社だけでなく、競合他社の採用オウンドメディアも訪れることを覚えておきましょう。もし他社の提供情報が自社より豊富であった場合、求職者は応募を見送る可能性があります。それを避けるためにも、競合他社の採用オウンドメディアのコンテンツを確認し、自社の情報提供が後れを取らないようにしましょう。

④KPIの設定

KPI(Key Performance Indicator)とは、目標達成に向けたプロセスが適切に行われているかを評価するために用いられる指標です。このKPIを明確に設定しておくことで、採用オウンドメディアの運用改善が行いやすくなります。それは、具体的な目標が視覚化されることで、どの部分が改善の余地があるのかを把握しやすくなるからです。それが結果的に、採用オウンドメディアのパフォーマンス向上につながり、より大きな成果を得ることが可能になります。KPIを設定することは、効果的な人材採用における重要なステップと言えるでしょう。


採用オウンドメディアで結果を出した事例3選

オウンドメディア成功事例を3つ紹介

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーは、独自の採用オウンドメディア「フルスイング」を運営していることで知られています。これは、社員自身が企業の魅力や独自の情報を、インタビュー形式を通じて伝えるという形をとっています。企業の魅力を直接、かつわかりやすく理解できるという特徴が、このメディアの大きな魅力となっています。
さらに、フルスイングはその更新頻度の高さでも注目を集めています。例えば、2022年3月10日だけでも、一日で8つもの新たな記事が掲載されています。これは、読者に対して常に新鮮な情報を提供し続けるという、株式会社ディー・エヌ・エーの強い意志を表していると言えるでしょう。

株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは、自社の採用情報を広く伝えるために"CyberAget Way"と名付けたオウンドメディアを活用しています。
このメディアでは、採用情報だけでなく、サイバーエージェントが提供するサービスや開発している技術、さらには投資家向けの情報(IR)も一同に公開されています。これにより、興味を持った訪問者が一つの場所で多岐にわたる情報を取得することが可能となっています。
特に注目すべきは、採用に関する詳細な情報が掲載されている点です。採用基準や社内制度、また新たに入社した後のキャリアパスについての情報が明示されています。これにより、求職者は自身の適性や希望を照らし合わせながら、具体的にサイバーエージェントでの働き方を想像しやすくなります。そして、それは求職者の応募意欲を高める大きな要因となるでしょう。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、自社の採用情報を発信するためのオウンドメディア、mercan(メルカン)を活用しています。ここで特筆すべきは、その情報発信が社員自身によって行われている点です。これにより、企業の実態や働く環境をリアルタイムで、しかも第一線で働くメンバーの視点から知ることができ、非常に魅力的な情報源となっています。
また、mercanでは多種多様なコンテンツが提供されており、興味のある情報をすぐに見つけられるよう、ウェブページの横方向にタブを配置しています。インタビュー記事や広報情報、新卒採用の詳細、各種制度に関する情報など、さまざまなタブから自分が必要とする情報を素早く探し出すことが可能です。これにより、求職者は自分に適した情報を手間なく得ることができるでしょう。


まとめ

採用オウンドメディアは、適切に活用することで大きな成果をもたらす可能性があるツールです。ただし、単に作成しただけではその価値は発揮されません。コンテンツの内容を反復的に試み、その過程で失敗と成功を繰り返すことで、最終的にはより良い結果を生み出すことができます。
この記事で紹介した作成手順や具体的な事例を是非とも参考に、採用オウンドメディアの作成と運営を成功に導く一助として活用していただければ幸いです。実際の運用に際しては、常に改善と進化を目指し、その過程で生まれた新たな知見を共有し、その結果を最大化することが重要です。