採用コスト削減のための注目情報!雇用種別・業界別平均相場と7つのアプローチ

2023/09/12

人材を募集し、新たなメンバーを迎え入れるための採用活動は、企業にとって避けては通れない道です。しかし、その過程で発生する採用コストは、ビジネスの成長を阻む大きな負担となり得ます。そのため、採用担当者の中には、この採用コストをできるだけ削減したいと考えている方が多くいらっしゃるでしょう。

本記事では、そのような採用担当者の皆様のために、採用コストを抑えることが可能な方法や、その際に重視すべきポイントについて詳しく解説いたします。この情報を活用し、より効率的で経済的な採用活動を実現させるための一助となれば幸いです。

もくじ

削減前に把握しておきたい、採用コストの内訳2つとその算出方法

1. 外部コストについて

外部コストとは、企業が社外者に対して支払うべき経費のことを指します。これは人材の採用に関するプロセスで発生する費用であり、主な要素として以下のようなものが挙げられます。

・求人広告費
・企業説明会の会場費用
・採用専用ウェブサイトや企業紹介資料の作成費用

求人広告費は、求人掲載サイトや人材紹介エージェンシーなどに支払われる費用を指します。この種の外部コストには、毎月一定の料金を支払うタイプや、人材紹介エージェンシーにおいては成功報酬型のものがあります。

一方、採用専用ウェブサイトや企業紹介資料の作成費用は、企業内部でこれらを作成するための技術や知識が不十分な場合に必要となる費用です。

外部コストの大部分は外部委託費用となるため、費用とそれによる効果の計算は、内部コストに比べて理解しやすいのが特徴です。

したがって、企業が採用コストを削減したいと考えるならば、「外部コストが具体的に何にどれだけ使われているのか」を詳細に調査することが有益でしょう。

2. 内部コストについて

内部コストとは、企業の社内で発生する採用に関連する費用のことを指します。該当する費用の例としては、以下のようなものが挙げられます。

・採用業務を担当するスタッフの給与や報酬
・社内で従業員に新たな人材を紹介させるためのインセンティブ
・内定者向けの交流会や新人採用のためのイベントの運営費

内部コストは、主に人件費の形で発生します。外部コスト(例:求人広告費や人材紹介会社への料金)と比較すると、金額自体は少なくなる傾向が見られます。

しかし、内部コストは採用活動に関わる社員の給与や、採用関連のミーティングやイベントの運営費など、具体的な金額を把握するのが困難な場合が多いです。

そのため、内部コストを正確に算出するためには、採用部門だけでなく、他の部署とも協力し、採用に関連する費用がどのように使われているのかを詳細に調査することが必要です。このようにして、採用活動の真のコストを把握することが、経済的な効率性を確保し、適切な採用戦略を立てる上で重要となります。

3. 採用に必要なコストの算出方法

採用コストは企業が新たな人材を確保するために必要となる費用のことを指し、その算出方法を理解することは、経営の視点から非常に重要です。

まず、一人当たりの採用コストを計算する方法を見てみましょう。

採用コスト総額÷採用人数=採用コスト
この計算式で表される採用コストは、外部コストと内部コストを合わせた総額を指します。外部コストとは求人広告費や人材紹介会社への手数料など、企業外部へ支払う費用のことを指し、内部コストとは面接や書類選考などの人件費など、企業内部で発生する費用のことを指します。これらのコストを合計した採用コスト総額を、採用した人数で除算することで、一人当たりの採用コストを算出することができます。

次に、一人当たりの求人広告単価を計算する方法を見てみましょう。

求人広告費総額÷採用人数=求人広告単価
この計算式で表される求人広告単価は、求人サイトでの広告出稿費や人材紹介会社への手数料などを含む求人広告費総額を、採用した人数で除算して求めることができます。これにより、一人あたりにどれだけの求人広告費を投じているかが明確になり、効率的な人材採用のための参考になります。

以上が、採用コストの基本的な算出方法になります。これらを理解し、効率的な人材採用を進めることが企業経営にとって重要となります。

《雇用別・業種別》削減したい採用コストの平均相場

採用コストの平均相場を雇用別、業種別にまとめましたので詳しく見ていきましょう。

1. アルバイト採用コストの相場の平均

日本の少子高齢化の進行や、新型コロナウィルスの影響により、各企業がアルバイトを採用するためのコストは年々上昇しています。企業にとって、求人情報の出稿や面接の手間、新入社員の研修など、アルバイト採用にかかる費用は決して軽視できない大きな負担となっています。

現在、アルバイト採用の平均的なコストは約2万円と言われていますが、これは業界によって大きく異なることを覚えておきましょう。例えば、飲食業界やアパレル業界などでは、採用コストは比較的抑えられる傾向にあります。一方、介護や看護などの医療・福祉業界では、資格を必要とする職種が多いため、高い採用コストが必要となるのが一般的です。これらの情報は、企業がアルバイト採用の予算を計画する際の重要な参考になるでしょう。

2. 新卒採用の一般的な費用相場

採用の一環として、新卒の採用には相応のコストがかかります。株式会社リクルートが提供する「就職白書2020」によれば、新卒社員一人当たりの採用コストの平均相場は次の通りです。

2018年度では約71.5万円、2019年度では約93.6万円となっております。このデータから明らかなように、新卒社員を採用するためのコストは企業間で変動しますが、一般的な傾向としては年々上昇していることが確認できます。

新卒社員の育成には一見、高いコストがかかると捉えられがちです。しかし、それに見合うだけの大きな利益を新卒社員がもたらす可能性があります。そのため、「新卒社員の採用と育成にかかるコストは、長期的な視点で見た投資」と考えることが重要です。これは企業の持続的な成長を支える基盤となる人材を確保するための、必要不可欠な投資と言えるでしょう。

3. 中途社員採用における費用相場

有名な人材サービス会社、リクルートの「就職白書2020」によれば、中途採用のコストの平均相場は次の通りです。

2018年度では約83.0万円、一方で2019年度では約103.3万円となっています。このように中途社員の採用コストが新卒社員よりも高くなる大きな要因としては、求職者毎に経験やスキルが異なり、企業のニーズにぴったり合う人材を探し出す難しさが挙げられます。

中途採用の方法の中には、「ポテンシャル採用」という名前のものがあります。これは、求職者の具体的なスキルや経験よりも、その人の性格や教養、そして未来に秘められた可能性を重要視して採用するという方法です。

このポテンシャル採用のコストは、2019年度の中途社員の採用コストの平均相場である103.3万円よりも控えめなのです。そのため、採用コストを抑えつつも優秀な人材を獲得したいと考える企業は、このポテンシャル採用という方法を選択することがあります。

業種毎に見る採用コストの平均価格

1. 新卒採用

新卒採用に関するコストは、業界ごとに異なりますが、一般的には60万円から80万円の範囲内に収まるとされています。

《新卒採用における各業界の平均採用コスト》
・建設業界:約69.4万円
・製造業界:約69.7万円
・流通業界:約67.7万円
・金融業界:約84.8万円
・サービス業や情報業界:約78.1万円

参照資料:リクルート社「就職白書2019」

新卒採用は、中途採用と比較して人材が集まりやすい特長があります。また、新卒採用に関する知識や技術が年々蓄積されていることから、効率的に採用活動を進めることが可能となり、結果として採用にかかるコストの抑制ができている企業も多く見受けられます。

ただし、新卒採用の全体的なコストは年々減少傾向にある一方で、優秀な学生を見つけ出し、採用するためにはコストがかかるため、単位あたりの採用コストは増加しています。そのため、採用活動をより効果的に行うための戦略が求められています。

2. 中途採用

中途採用の際の費用は、新卒採用と同様に、業界ごとに大きな違いがあることをご存知でしょうか。

具体的には《中途採用の際の費用の相場》としては以下のような状況です。

・建設業界では約97.8万円
・製造業界では約102.3万円
・流通業界では約55.5万円
・金融業界では約58.2万円
・サービスや情報業界では約86.8万円

となっています。参考資料「就職白書2019」

中途採用の際の費用は、新卒採用と比べて平均的により高額であり、これは各業界ともに共通した傾向となっています。

なぜそうなのかというと、中途採用では一般的に求められる募集人数が新卒採用より多く、特に製造業や建設業ではITエンジニアの求人が多いためです。

また、中途採用では専門的な知識や特定の資格が必要とされることが多く、一度の採用活動で求める人材を見つけられないことも少なくありません。

そのため、何度も採用活動を行う必要があり、そのたびに採用コストが増えてしまうことから、総じて採用コストは高くなる傾向にあるのです。

採用コストを削減する7つの方法

1. ミスマッチの防止

採用活動におけるミスマッチとは、企業と求職者の間で十分な理解が成り立たず、結果として入社後に求職者が「思っていたのと違う」と感じる状況を指します。これが起きると、その採用は成功とは言えず、早期退職に繋がる可能性もあります。これは採用活動にかけた時間やコストが無駄になるだけでなく、再度新たな採用活動を立ち上げる必要が出てきます。それゆえ、採用のミスマッチを未然に防ぐことは、効率的で経済的な採用活動を行うために非常に重要となります。

ミスマッチを防ぐための一つの方法として、明確な採用条件を設けることが挙げられます。例えば、年齢制限や特定の資格の要求など、明確な採用条件を設けることで求職者と企業との間での認識のズレを最小限に抑えることが可能となります。

また、求職者に対しては企業の良い面だけでなく、課題やデメリットも率直に伝えることが重要です。これにより、入社後に予期せぬギャップを感じることが少なくなり、早期退職のリスクを下げることができます。

さらに、新入社員の研修や既存社員との交流会を定期的に開催することで、企業文化に新入社員がよりスムーズに馴染む環境を作り上げることもミスマッチ防止に役に立ちます。これらの取り組みを通じて、企業と求職者の間の理解を深め、採用のミスマッチを防ぐことができます。

2. リファラル採用の活用

リファラル採用とは、自社の社員や身近な人々からの推薦により新たな人材を募る方法を指します。

この方法は、自社の社員が深く理解している自社の文化や業務内容から、最適な人材を紹介してもらうことが可能であるため、求めているスキルや人物像との相違が最小限に抑えられます。さらに、紹介された人材が現社員と一緒に働くことになるため、社員の退職率も低下します。

リファラル採用における採用コストは、採用が成功した場合に限り、紹介者である社員への報酬やインセンティブの形で発生します。これらの費用は、一般的には2,0000円から20,0000円程度とされており、これは求人ウェブサイトや人材紹介会社を通じた採用よりもコストを抑えることができると言われています。

3. 求人広告の媒体の見直し

もしも、現在お使いの求人広告媒体による応募者数が増加していないのであれば、それは求人広告媒体の選択を再評価する良い契機でしょう。

求人広告媒体にはそれぞれ独自の強みや特色があります。例えば、「地方の人材採用に強い」や「エンジニアの採用に特化している」など、自社のニーズに最も適合する媒体特性が何かを確認することが大切です。

また、求人広告媒体ごとに登録者の年齢層や勤務地の分布は大いに異なるため、多くの登録者がいるからといって、それが必ずしも採用成功に直結するわけではありません。

求人広告媒体を選定する際には、契約プランだけでなく、媒体の強みや独自機能、さらに自社が採用したいと思うターゲット層の登録者数をしっかりと確認することが重要となります。

そして、求人広告媒体を選ぶ前段階で、その媒体の担当者に直接連絡を取り、媒体の特性や登録者数、ターゲット層などについて詳しく聞いてみることも有効な手段となります。その情報を基に、自社の採用戦略に最もフィットする求人広告媒体を見つけることができるでしょう。

4. 選考プロセスの見直し

採用活動は、スケジュール管理や面接場所の手配といった様々な作業が伴います。これらは時間とリソースを大いに必要とします。

しかし、選考プロセスを見直し、効率的な採用活動を実施することで、これらの採用コストを大幅に節約することが可能となります。

たとえば、面接のラウンドが多すぎると、求職者が他の企業から早期に内定を受け取り、自社を選ばない可能性が高まります。このため、できるだけ面接の回数を減らし、一度の面接で採用を決定するようにすると良いでしょう。

また、書類選考の段階で厳選し、面接する人数を制限することで、面接にかける時間も大幅に短縮することができます。

さらに、採用の評価基準を細かく設定しすぎると、人材選定時のチェック作業が増加し、面接を通過する人の数が減少する可能性があります。そのため、「自分の意見をはっきりと伝えられる」や「人とのコミュニケーションが得意」といった明確な評価基準を設定した評価シートを早めに作成しておくことも重要となります。これらの視点から選考プロセスを見直し、効率的な採用活動を実施することで、採用コストを削減することが可能となります。

5. オンラインツールの活用

近年、人材採用のプロセスにおいてオンラインツールの活用が増えています。これは、企業が採用にかかるコストを抑えるために取り入れた手法で、特に面接での利用が見られます。

インターネットを通じた面接は、現地まで移動する必要がなくなるため、企業と求職者双方の移動コストや時間を大幅に節約することができます。そのため、オンラインツールの導入は、企業の経費削減と効率化に大いに寄与すると言えます。

具体的なオンラインツールを活用した面接方法としては、主に次の2つがあります。

1つ目は「動画面接」です。これは、企業が設定した質問に対して求職者がビデオで回答し、その映像を後から確認することができるという形式の面接です。対面での面接とは異なり、時間や場所を選ばずに面接を行うことが可能となります。

2つ目は「オンライン面接」です。これは、Web会議ツールを使用してコンピュータの画面を通じて面接を実施する方法です。これにより、遠隔地の求職者とも直接対話することができ、面接の効率性と便利性を大幅に向上させることができます。

6. 自社サイトやSNSを利用した採用強化戦略(採用マーケティング) オンラインツールの活用

近頃、求職者の間でSNSを活用した情報収集が一般的となりつつあります。その影響から、SNSを活用して人材を募集する企業が多く見受けられるようになりました。

TwitterやFacebookといったSNSを利用すれば、広告費用をかけずに、企業の理念やビジョン、求人情報などを広く発信することが可能となります。これにより、一般的な求人広告よりも多くの人々に対して求人情報を伝えることができます。

また、SNSだけでなく、企業の公式ウェブサイトも採用活動における重要なツールとなっています。多くの求職者は、応募を決定する際に企業の公式ウェブサイトを確認する傾向があります。そのため、企業HPを魅力的にデザインし、内容を充実させることで、採用活動をより効率的に進めることができます。

企業の公式ウェブサイトでは、企業の独自の雰囲気を伝えるための写真を掲載したり、企業の理念を伝えるためのCEOメッセージを掲載したりすることで、求職者に対して企業の魅力を強くアピールすることが可能となります。

求人広告の費用を抑えつつ、企業の魅力を効率的に伝えたい場合、SNSや企業の公式ウェブサイトを活用して採用活動を強化することをお勧めします。

7. ATSと採用代行サービスの活用

ATS(採用管理ツール)とは、採用にまつわる各種業務を一元的に管理・運用するシステムのことを指します。具体的には、求人情報の作成や面接日程の設定といった、採用活動に必要な様々な作業をスムーズに行うための機能を提供しています。

一方、採用代行サービスとは、企業の採用業務を専門的に扱うサービスのことです。これにより、応募者の管理や選考調整などの業務を代行し、企業の採用担当者は採用における重要な意思決定に専念することが可能になります。

これらATS(採用管理ツール)や採用代行サービスを適切に利用することで、採用業務の効率化が大いに期待できます。また、面接会場の手配などにかかる時間やコスト、求職者の管理に必要な社内リソースなども大幅に節約できるでしょう。これらのツールやサービスは、採用における効率的な採用活動をサポートする強力なパートナーとなることでしょう。

採用コスト削減の2つの要点

それでは、採用コストを削減するために注目すべき2つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1つ目は、「採用全体を俯瞰して確認する」ことです。これは、企業が採用活動を行う上で、全体の流れや各プロセスを全体的な視点で見つめ、採用活動の効率化を図ることを意味します。一部のプロセスだけにフォーカスを当てるのではなく、広い視野で採用活動全体を見ることで、無駄なコストを削減し、より効果的な採用を行うための戦略を立てることができます。

2つ目のポイントは、「採用コストを精査する」ことです。具体的には、求人広告の費用や面接の時間、採用に至るまでの各プロセスにかかるコストを細かく見直すことを指しています。これにより、どの部分で無駄が発生しているのか、どの部分を改善すればコスト削減につながるのかを明確にすることができます。

これらのポイントを押さえ、採用活動の見直しを行うことで、企業はコストを削減しながらも、質の高い人材を確保することが可能となります。

1. 採用全体を俯瞰して確認する

採用にかかわる費用というのは、外部と内部のコストに大別されますが、これらを個別に考慮するのではなく、採用全体を包括的に見つめ直し、全体のコストを把握することが重要です。

例えば、外部コストである求人広告費を減らすことに成功したとしても、それが結果的に社員の業務負担を増やし、外注していた業務を社内で行うことになった場合、採用を担当する部署の人件費、すなわち内部コストが増大する可能性があります。これは、単純に一部のコスト削減が全体のコスト削減につながるとは限らないという事実を示しています。

外部コストと内部コストは互いに影響を及ぼし合っているのが現実です。そのため、採用にかかわる全体の視野を持ち、削減すべきコストを正確に識別することが必要です。全体を見渡して判断を下すことで、より適切な採用コストの管理が可能になります。

2. 採用コストを精査する

採用にかかる費用の見直しをする際には、外部発生のコストと社内発生のコストを緻密に検証し、それらが投資対効果の観点から適切なものであるかどうかをチェックすることが肝心です。

これらを精査する手法としては、採用の対象となる人材、使用するサービス、採用に投じた費用、そして一人ひとりの採用にかかる単価を各項目に分けて、それぞれを視覚的に表現します。

採用に用いるサービスや手段を、「投資対効果が不十分」「結果が出ていない」といった視点で再評価することで、より効果的な採用戦略を練ることが可能となります。この再評価は、企業の資源をより効率的に活用し、採用の成功率を向上させるために重要となります。

まとめ

採用に関する費用を抑えるためには、まず一歩目として自社が支出している外部、及び内部の採用コストを明らかにすることが重要となります。その上で、一人当たりにかかる採用の総額を計算し把握することが肝要です。

自社の採用に伴う費用を詳細に検討し、その削減のための施策やポイントを生かして、採用コストの削減を達成しましょう。このような取り組みにより、より効率的な人材採用が可能となります。