注目の自社採用のとは?成功へ繋がる3つの採用手法とそのメリット・デメリット

2023/11/02

現代の採用において自社が必要としている人材と最終的に採用する人材との間にギャップがあると感じている方は一人や二人ではないでしょう。

その問題解決の一環として注目を浴びているのが自社採用です。しかし、その具体的な方法や特徴、さらにはメリットやデメリットについて詳しく理解している人はまだまだ少ないかもしれません。

この記事では、自社採用を成功させるための3つの手法と、それぞれの利点と欠点を中心に、自社採用を検討する際に必要な情報を分かりやすく解説します。

自社採用を導入するかどうか迷っている方や、より効果的な採用方法を模索している方は、ぜひ一読いただき、新たな視点やヒントを得てください。

自社採用についての定義と主な3つの方法

私たちが言う「自社採用」とは、どのような採用方法を指すのでしょうか。多くの方が聞いたことはあるものの、具体的にイメージするのが難しいと感じるかもしれません。そこで本記事では、自社採用についての基本的な意味から、その具体的な進め方まで、詳しく分かりやすく解説していきます。

1. 自社採用とは、「企業自ら働きかける攻めの採用方法」

自社採用という言葉は、一体何を指すのでしょうか。単純に言えば、これは企業が自身で採用活動を全般的に管理し、実行することを指します。この方法は、採用に関する専門知識がまだ身についていない企業が挑戦するには、ある程度のリスクを伴うと言えます。

その理由は、自社だけで採用活動を行うと、求職者の応募数が大幅に減少する可能性があるからです。しかし、この方法には二面性があります。なぜなら、最小限の予算で理想の人材を確保できる機会も生まれるからです。

また、一般的な採用方法と比べてみると、自社採用は企業が主導的に求職者を探し出すアクティブな採用方法であると言えます。これは、通常の採用方法が受け身で、求職者からの応募を待つスタンスであるのとは対照的です。

自社採用に取り組むことで得られる結果は、企業次第です。成功すれば、優秀な人材を確保し、広告費を抑えることができます。しかし、その一方で、応募者全体の数が減少すると、結果的に優秀な求職者の数も減る可能性があります。これらの要素を理解したうえで、自社採用に挑戦するかどうかを判断することが重要です。

2. 自社採用には主に3つの方法がある

今回は、企業が自身で採用活動を行う際に用いられる、3つの主な手法について詳しくお話しします。これらの手法を理解することで、ご自身のビジネスにおいて効果的な採用戦略を立てることが可能となります。

1つ目の手法は、自社採用サイトを用いた採用です。これは、企業が自身のホームページを活用し、そこに求める人材や仕事内容、企業文化などを紹介することで、求職者に直接アピールする方法です。採用情報を一手に管理でき、自社のブランドイメージを求職者に直接伝えられるというメリットがあります。

2つ目に、リファラル採用があります。これは、既存の社員が自身の人脈を活用し、知人や友人を企業に推薦する方法です。信頼性の高い人材を採用できる可能性があり、採用コストも抑えられるというメリットがあります。

そして3つ目に、ダイレクトリクルーティング採用があります。これは、企業が自ら求職者を見つけ出し、直接採用を打診する方法です。この方法では、自社が求めるスキルや経験を持つ人材を直接獲得することが可能です。

これら3つの採用手法は、それぞれ異なる特性とメリットを持っています。企業が自社のニーズや状況に応じて、最適な手法を選ぶことが必要です。

3. 自社採用サイトを活用した採用手法

自社採用という採用手法は一般的に3つの大きなカテゴリーに分けることが可能です。

その中の1つ目として挙げられるのが、自社採用サイトを活用した採用方法です。

この方法とは、一般的な採用担当者とは異なり、特別に自社の採用活動のためだけに作成されたウェブサイトを通じて、求職者を呼び込むというものです。

一般的な求人サイトに求人情報を掲載依頼するのではなく、企業自身のウェブサイトから直接求職者を募ることで、これを自社採用と呼んでいます。

自社の採用サイトを設けることで、他の採用手法と併用することによって、より効果的な採用活動を展開することが可能となります。

特に、長期間にわたって採用活動を続ける予定がある企業や、一度に大量の新人を採用したいと考えている企業にとって、この自社採用サイトを活用した採用は非常に有効な手段となるでしょう。

4. リファラル採用について

自社で行う採用の方法の中で、2つ目の方法としてリファラル採用があります。

リファラル採用とはどのようなものかと言うと、自社の社員または友人、知人からの紹介を通じて新たな人材を採用する方法のことを指します。

この採用方法は、特別な求人サービスを使用せず、自社の社員やそのつながりを通じて新しい人材を得ることができます。それゆえに、この方法は自社採用の一種として認識されています。これは、自社のネットワークを活用することで、企業と候補者のマッチングをより細かく、効率的に行うことが可能となるからです。

5. ダイレクトリクルーティング採用

企業が自ら行う採用手法の中で、3番目に紹介するのは、ダイレクトリクルーティング採用というものです。

ダイレクトリクルーティング採用とは何かと言いますと、これは企業自体が積極的に求職者へ接触し、採用を試みるという手法のことを指します。

この手法が自社採用としてカウントされるのは、何故でしょうか。それは、単に求人サイト上に募集要項を掲示するのではなく、もっと積極的なステップを踏むからです。具体的には、スカウトサービスを活用したり、自らの企業から直接求職者に対してオファーを出すなど、求職者を自社へと引き寄せるためのアクションを起こすからなのです。

自社採用サイト・リファラル採用・ダイレクトリクルーティング採用のメリット・デメリット

自社採用サイト、リファラル採用、ダイレクトリクルーティング採用などの自社採用にはそれぞれメリット、デメリットがあります。

自社採用3つのメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。

1. 自社採用サイトのメリット

自社採用サイトの利用による採用コストの削減
自社採用サイトを活用することで、あなたの会社は求人広告に費用を投じることなく、優れた人材を見つけることが可能となります。これにより、採用の際に発生する経費を大幅に削減することができるのです。求人広告費という大きな出費を抑えることにより、全体の採用コストが低減します。是非とも、自社採用の比率を見直し、このメリットを活用してみてください。

ブランディングを強化できる自社採用サイト
自社採用サイトを持つことで、会社の雰囲気や理想的な人材像を求職者に直接伝えることができます。具体的なサイト構成を工夫することで、求職者に対して自社のブランドイメージを強く印象づけることが可能となります。

一般的な求人サイトを利用しているだけでは、他の企業との差別化を図るのは困難です。しかし、自社の採用サイトがあれば、社内の風土や求める人材像を明確に示すことができます。これが理解されることで、求職者が具体的にどのような企業に応募するのかを把握しやすくなり、結果として応募者の質と数を増やす助けとなるでしょう。

2. 自社採用サイトのデメリット

サイト作成には大量の費用と時間が必要
自社の採用サイトを一から立ち上げる場合、そのプロセスには相当な費用と時間が必要となります。

たとえば、既存の求人サイトを利用すれば、応募条件や勤務地などの必要な情報を入力するだけで、短時間で求人情報を公開することができます。

しかし、自社の採用サイトを立ち上げる場合は、デザインやコンテンツの作成など、自由度が高い反面、手間も多くなるため、時間がかかります。この結果、サイトの立ち上げには結構な費用がかかることになります。

定期的なサイト改善が必須
自社の採用サイトは、定期的に改善を行わなければなりません。それがなされていないと、求職者に対して古い、または怠慢な印象を与えてしまう可能性があります。

サイトの更新が一定の時期で止まっていると、求職者から見て採用活動が停滞しているように感じられてしまい、これは企業のイメージを損なう可能性があるため、注意が必要です。

3. リファラル採用のメリット

リファラル採用が採用ミスマッチを防ぐ方法
リファラル採用の明確な利点の一つは、企業の文化に適合した人材を確保できる可能性が高まることです。この採用方式では、自社の従業員やその友人、知人からの推薦が基本となります。その結果、同様の性格や趣味を持つ人が集まる傾向が見られます。

一方で、性格や考え方が異なる人たちが集まると、その違いから職場の人間関係が難しくなることもあります。それが職場全体の雰囲気を悪化させ、生産性や業績に影響を及ぼす可能性も否定できません。

採用コスト削減の実現
リファラル採用の別の大きなメリットは、採用に伴う費用を大幅に削減できることです。この方式では、一般的な採用プロセスで必要となる求人広告などを利用する必要がなく、それによって採用に関わるコスト全体が軽減されます。これは特に、採用活動の予算が限られている中小企業にとっては大きな利点となるでしょう。

4. リファラル採用のデメリット

「似た思考の人材が集まりやすい」というリスク
リファラル採用は、自社の社員やその友人、知人から紹介を受ける形の採用方法であり、その結果、一見するとチーム内の調和を保ちやすい一方で、「同質性」が高まり過ぎる可能性があります。つまり、同じようなバックグラウンドや視点を持つ人材が集まりやすいという特性があります。

これは、新しい刺激や視点が必要な時、例えば新規事業展開や革新的なアイデアが求められる場合などには、欠点となり得ます。異なる視点や考え方を持つ人材の採用が求められる場合、リファラル採用は最適な選択肢とは言えないかもしれません。

「不採用時に人間関係に波紋が広がる」可能性
さらに、リファラル採用では紹介された人材が最終的に不採用となった場合、その事実が紹介者やその関係者に対して不快感を与える可能性があります。特に、紹介者が社員であった場合、その社員が自身の信頼性を問われ、職場内での人間関係に影響を及ぼす可能性もあります。

紹介を通じて採用選考が行われたにも関わらず不採用となると、紹介者は会社への不信感を抱くことも考えられます。これが原因となり、職場内での人間関係にトラブルが生じる可能性もあります。そのため、リファラル採用を行う際は、そのデメリットも十分に理解しておくことが重要です。

5. ダイレクトリクルーティングのメリット

理想的な人材を見つける可能性が高まる
ダイレクトリクルーティングは、企業が自ら直接、特定の資質やスキルを持った求職者に接触するため、その企業が求める理想的な人材を見つける可能性が高まります。

これにより、採用した人材と企業の間でのスキルや期待のミスマッチが減り、企業は時間を無駄にすることなく、適切な人材を見つけることが可能となります。

多数の応募者から選ぶよりも、特定の候補者に焦点を絞ることで、それぞれの候補者に対してより多くの時間を費やすことができます。これがミスマッチの減少につながる理由です。

採用プロセスのコストが削減できる
一般的な採用プロセスでは広範囲に広告を打つことで多くの人材を引き寄せ、その中から選び出すという方法が取られます。しかしダイレクトリクルーティングでは、特定の人材だけに焦点を絞るため、選考の過程で多くの時間や労力を使うことが少なくなります。

一方で、一般的な求人広告に対する応募者の中には、条件や雰囲気が良さそうだからという理由で応募する人もいます。

しかし、ダイレクトリクルーティングでは、企業に対して高い関心を持つ人材や、企業が求める条件にマッチする人材からのみ応募があります。

そのため、ダイレクトリクルーティングは広告費用だけでなく、選考にかかるコストも削減することが可能となります。これらの要素が、ダイレクトリクルーティングの魅力として挙げられます。

6. ダイレクトリクルーティングのデメリット

求職者との個別対応が必要なため、業務負荷が増大
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者を見つけ出し、スカウトする方法です。その特性上、一人一人の求職者と個別にコミュニケーションを取ることが必要となります。その結果、採用担当者の業務量が増える可能性があります。

特に、この方法で採用活動を初めて行う場合は、求職者が本当に企業にとっての最適な人材かどうかを見極めるのに時間がかかるかもしれません。

さらに、ダイレクトリクルーティングは、企業自身の人員で行うことが一般的です。そのため、他の業務への影響を考慮し、適切な人員の確保を事前に検討する必要があります。

採用までの期間が長期化する可能性がある
また、ダイレクトリクルーティングは、即座に結果が出るものではありません。企業が求める最適な人材を見つけ、採用するまでの過程は長期的な取り組みを必要とします。

理想的な求職者に焦点を当てて採用活動を行うため、その人材を見つけ出すのが難しく、採用までに想定以上の時間がかかることがあります。

さらに、企業が理想とする求職者が本当に求職活動を行っているかどうかは確定的なものではありません。そのため、理想的な人材の獲得に時間がかかる、あるいは獲得できない可能性も覚悟する必要があります。

自社で採用する際に注意する3つのポイント

自社での採用活動は、多くのメリットと共に一部のデメリットも含まれています。それらをしっかりと理解した上で、成功へ導くためには何を心掛けるべきか、そのポイントを今回はご紹介いたします。丁寧に一つずつ見ていきましょう。この知識を活かして、スムーズかつ効果的な採用活動を実現させてください。

1. 長期的な取り組みが必要となること

企業が自社の採用サイトを設立したり、ダイレクトリクルーティングを行ったりすることは、理想的な人材を獲得するためには不可欠な活動です。しかし、これらの活動がすぐさま結果をもたらすものではないことを理解することが重要です。

このような採用手法は、即効性があるものではなく、長期的な取り組みが必要です。これは、採用活動が単に求職者と企業を結びつけるだけではなく、企業の理念やビジョンを理解し、共有しようとする人材を見つけ出すための時間と労力が必要であるからです。

そのため、成果を追求する際は、時間がかかる可能性があることを念頭に置いて、戦略的に取り組むことが必要です。この視点を忘れずに採用活動に取り組むことで、長期的な視点から見て真に価値ある人材を獲得することが可能となります。

2. 会社の上層部と協力して取り組まないといけないこと

自社のウェブサイトを作るといった活動の中で、十分に情報を充実させるために、社長や自社のスタッフからインタビューを受けることが必要です。さらに、全社的な長期計画を考える際にも、経営層との共同作業は避けて通れません。

また、内容制作に関して消極的なスタッフとの人間関係にも配慮が必要です。内容制作が組織内での負担になり過ぎないように、バランスを保つ必要があります。これにより、社内全体が一体となって価値あるコンテンツの制作に取り組むことが可能になります。

3. 求職者に求める条件を絞りすぎないこと

私たちが自社で採用活動を行う最大のメリットの一つは、理想的な人材を見つけ出し採用する可能性が高まる点にあります。

しかしながら、求職者に対する要求が過度に厳格になりすぎると、その結果として本来なら出会えたかもしれない優れた人材を見落としてしまう可能性があります。また、理想が高すぎて結局求めていた人材を確保できなかったという事態に陥ることも考えられます。これらは、人材採用における大きな失敗となり得ます。

そのため、自社が設定する人材採用の条件が他社と比較して厳しすぎるのかどうか、一度確認してみることが大切です。具体的には、同じ業界の他社がどのような条件で人材を確保し、成功しているのかを調査することが有効です。これにより、自社の人材採用活動が適切な範囲内にあるのかを見極めることができます。

まとめ

本記事では、主に自社採用のメリットとデメリットを中心に、自社採用を行う際に把握しておくべき知識をご紹介しました。

自社採用がご自身の企業に適しているか否かをしっかりと判断したうえで、その導入を検討することが非常に重要です。

利点と欠点を包括的に理解した上で、自社に最も適した採用方法を見つけることをおすすめします。自社採用に関する知識を深め、最適な人材採用に繋がる一助となれば幸いです。