「採用ペルソナ」とはなにか?そもそも「ペルソナ」自体が一般的な言葉ではなく、主にマーケティングの世界で使われる専門用語です。これが採用活動にも役立つというのが、最近の人事業界の注目トピックなのです。
「ペルソナなんて設定しなくても、これまで採用活動は十分に行えてきた。それに必要ない」と思う人事担当者の方も少なくないかもしれません。それはその通り、以前はそうだったかもしれません。現代はインターネットやSNS、転職エージェントなどが一般的になるなど、情報が溢れかえる時代となり、採用活動の競争は年々厳しさを増しています。
採用活動をより円滑に進め、効率的な結果を引き出す一つの手段が「採用ペルソナ」の設定なのです。この考え方を理解し活用することで、採用活動に新たな風を吹き込むことができるようになります。
この記事では、具体的に「採用ペルソナ」が何を意味するのか、その設定によって何が変わるのか、また、どのように設定し、適用すべきなのかについて、採用活動に詳しくない方でも理解できるように分かりやすく説明いたします。
目次
- 採用ペルソナとは何か?
ペルソナとは?
採用活動におけるペルソナの重要性について
ペルソナとターゲットの違いについて - ペルソナ設定のメリットとは
採用基準のズレを減らす
内定承諾後のミスマッチを防止できる
欲しい人材を効率的に採用できる - ペルソナを設定する具体的な方法
全社間で求められる人物像を定義する
人物像を部署ごとに落とし込みをしする - ペルソナを設定する具体的な方法
全社間で求められる人物像を定義する
人物像を部署ごとに落とし込みをしする - まとめ
採用ペルソナとは何か?
採用活動を進める上で「採用ペルソナ」を設定するという考え方を聞いたことはありますか?「ペルソナ」という言葉自体に慣れていない採用担当者の方や、「ペルソナ」が具体的に何を示すのか、また、それをどのように採用活動に活かすべきなのか、また、「ペルソナ」と「ターゲット」の違いが理解できない方も多いかもしれません。
「採用ペルソナ」への理解が明確でないままにペルソナ設定を行い、採用活動を開始してしまうと、時間の無駄につながるだけでなく、求めている人材の採用につながらないことになりかねません。
ここでは「採用ペルソナ」について詳しく解説します。この概念を理解し、採用活動にうまく活かすことで、より効果的な人材採用が可能となります。
ペルソナとは?
「ペルソナ」という言葉は一般的にはマーケティングの領域でよく使われている用語です。しかし、近年ではその活用範囲が広がり、医療業界や人材採用の業界でも、使われるようになっています。
では、「ペルソナ」の具体的な定義を私たちが理解するために、少し詳細に解説してみましょう。「ペルソナ」とは、ある特定のサービスや商品に対して、その典型的な利用者や消費者の詳細な人物像を描き出したものを指す言葉です。
「ペルソナ」の語源についてはいくつかの説がありますが、一般的にはラテン語の「persona」が起源とされています。「persona」は、「役割」や「人格」、「登場人物」などの意味を持つ言葉です。この語源から考えると、「ペルソナ」は単なる外見や表面的な特性にとどまらず、より深層の人間性や内面を捉えた概念であることが理解できます。
マーケティングの業界では、「ペルソナ」は「商品を手に入れる典型的な顧客」や「ウェブサイトを頻繁に訪れる特定のユーザー」の人物像を示すことが一般的です。
しかし、人材採用の文脈では、「ペルソナ」の定義は少し変わります。ここでは、「ペルソナ」は商品やサービスの消費者やユーザーではなく、「企業が積極的に採用したいと考える理想的な候補者」の人物像を指します。
このような「採用ペルソナ」は、性別や年齢、居住地、家族構成、学歴、職歴、趣味、ライフスタイルなど、候補者の詳細なプロフィールや特性を設定し、描き出すことで形成されます。
採用活動におけるペルソナの重要性について
新型コロナウイルス感染症が収束の道を歩み始めた2023年、新卒・中途採用を一時停止していた企業が、採用活動を再開する動きを見せています。
全国求人情報協会のデータによると、求人広告掲載件数は2021年から徐々に増加しており、企業の採用活動が再開されたことが確認できます。
引用:公益社団法人全国求人情報協会「求人広告掲載件数」https://www.zenkyukyo.or.jp/outline/research/
このような状況下で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2020年に大幅に減少した有効求人倍率が、2021年以降、徐々に回復してきています。これは求職者の選択肢が増え、企業側の採用活動がより競争的になっていることを示しています。
引用:厚生労働省「求人、求職及び求人倍率の推移」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32763.html
このような競争が激化する中で、「採用ペルソナ」の設定が重要な要素として認識されています。
採用担当者の役割は、単に採用活動を遂行するだけではなく、「今回の採用活動で得た知見を次回の採用に反映させる」ためのPDCAサイクルを適用することにもあります。PDCAは「Plan:計画、Do:実行、Check:検証・評価、Action:改善」の頭文字をとった言葉で、組織の改善活動に欠かせないプロセスです。
採用担当者の目的は「〇〇部に〇名採用する」だけでなく、「〇〇部で活躍可能な人材を〇名採用する」ことです。採用した人数だけでなく、その人材が本当に自社が必要としている能力を持っているかを検証し、次回の採用に活かすことが重要なのです。
採用した人材が期待に応えられず、すぐに退職してしまうと、採用コストが無駄になるだけでなく、「新人は教育してもすぐに辞めてしまう」というネガティブな意識が社員間で広がり、教育担当者のモチベーションを下げる可能性もあります。
採用ペルソナを明確に設定することで、自社が求める人材像がはっきりとし、採用活動にコンセンサスを持つことが可能となります。面接担当者と経営者・現場社員が異なる視点を持っていても、ペルソナに基づく採用活動を行うことで、求める人物像の誤解を減らすことができます。
採用ペルソナにより人材像の共有認識が生まれ、本当に必要とする人材に対する誤解や早期退職を減らす効果が期待できます。したがって、採用ペルソナの設定は、採用活動において非常に重要な要素であると言えるでしょう。
ペルソナとターゲットの違いについて
マーケティングの世界では、「ペルソナ」と「ターゲット」の二つの言葉が頻繁に使われます。これら二つの概念は一見似ているように見えますが、本質的には大きな違いが存在します。その違いは、具体的には「粒度」という観点で表現されます。
ここでいう「粒度」とは、何かを詳細に描写するための「詳細度」のことを指します。採用の文脈では、「ターゲット」よりも「ペルソナ」の方が、より詳細に人物像を描くための手法となります。
ターゲットとは、簡単に言えば、「年齢層、性別、以前の職種」などの基本的なデモグラフィック情報に基づいて設定されたグループのことを指します。一方、ペルソナは、より具体的な「年齢、住所、趣味」などの詳細な情報に基づいて設定された、特定の架空の人物像を指します。
このように、「ペルソナ」と「ターゲット」の粒度は異なります。どちらの概念を使用するかによって、企業が求める人物像の共有が容易になり、各個人間での理解のズレも最小限に抑えられます。
ペルソナ設定のメリットとは
ペルソナを設定した採用活動のメリットは複数あります。
ここからはそのなかでも大きいメリットとして、以下の3つを解説しましょう。
・採用基準のズレを減らす
・内定承諾後のミスマッチを防止できる
・欲しい人材を効率的に採用できる
採用基準のズレを減らす
採用ペルソナを利用することで、必要とする人材に関するより詳細な理解を共有できるという考え方があるのです。これは、単に採用する対象を大まかに設定するのではなく、より具体的な人物像を描くことで、その人物への共通認識を形成するというものです。
一般的な採用ターゲットでは、例えば「男性で、営業経験がある」というような大まかな条件しか設定できません。しかし、このようなぼんやりとした設定では、理解者によってはその条件に当てはまる人材のイメージが大きく異なる可能性があります。
たとえば、「男性で、営業経験がある」という採用ターゲットは、「営業歴1年の男性」でも、「反響営業を中心に半年間活躍してきた男性」でも当てはまるわけです。
しかし、採用ペルソナを「男性で、自社商品の電話営業経験が5年あり、個人事業主のような働き方に憧れて歩合の多い企業へ転職を希望している」と設定すれば、より具体的な人物像が浮かび上がります。
個人経営の企業で、採用担当者が一人だけで、その人が直接採用したメンバーと一緒に働くという場合には、採用基準のズレは問題になりません。しかし、採用活動に関与する人数が増えれば増えるほど、採用基準のズレは大きくなりがちです。
こうしたズレを小さくするためには、求める人物像を具体的に言葉にすることで採用ペルソナを設定し、それを共通の採用基準とすることが重要です。これにより、採用活動を行う上でのズレを最小限に抑えることが可能になるのです。
内定承諾後のミスマッチを防止できる
人材採用の成功は、ただ求職者が内定を受け入れ、会社に参入するだけでは完全とは言えません。なぜなら、内定後に行われる新入社員のトレーニングや実際の仕事に就いた後で、求職者と会社との間に適合しない点、いわゆるミスマッチが明らかになり、結果として早期の退職を選択する可能性があるからです。
確かに、「初職」、つまり最初の就職先からの退職理由を見ると、最も多い理由は「仕事が自分に合わなかったため」です。
引用:内閣府 平成30年版子供・若者白書「初職の離職理由」https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/s0_0.html
求人募集や面接の段階で、仕事の内容について説明があるとはいえ、それでもなお、自身が望む仕事内容と、実際に行う仕事内容との間に乖離がある場合があります。
ここで「ペルソナ」の設定が重要となります。求めている人材像を明確にし、それを求人情報に反映させたり、面接での採用基準に含めたりすることで、求職者自身も「企業はどのような人材を求めているのか」「自分は求められている人物像に合致しているのか」をより明確に判断することが可能となります。
ペルソナに則った採用活動を実施すれば、採用のミスマッチの発生は避けられる可能性が高まります。
また、価値観やライフスタイルを考慮した採用ペルソナを基準にすることで、内定承諾後のミスマッチを防ぐことができ、退職理由の大部分を占める可能性がある問題を抑制することが可能となります。
欲しい人材を効率的に採用できる
効率的に求めている人材を採用するにあたり、ペルソナを設定するという手法が存在します。その重要性は、次の2つの点に現れます。
・「欲しい人材」の本質を理解する
・ターゲットとなる人材へ効果的にアプローチする
まず、「欲しい人材」の本質を理解するという点についてです。ペルソナを設定することで、ざっくりとした「欲しい人材」の概念を具体的な個人像、例えば「〇〇を重視する、〇〇のように働きたいと考えているAさん」といった具体的な人物像へと絞り込むことが可能になります。
例えば、当初「職種の未経験者は不可」と設定していた求人も、ペルソナを設定することで「我が社で活躍している人材は、未経験から始めた人が多い」という実態を把握し、求人の条件を見直すこともあります。
それにより、「経験よりも自発性を重視する人材が欲しい」といった、本質的な「欲しい人材」のイメージが明確になることもあります。
次に、「ターゲットとなる人材へ効果的にアプローチする」という点です。ペルソナを設定することで、「ペルソナが感銘を受ける要素」や「ペルソナが企業に望むもの」をイメージしやすくすることができます。
「誰かに向けた一般的なアプローチ」ではなく、「Aさん」といった具体的なペルソナに対するアプローチでは、情報発信の方法が大きく変わることでしょう。
自社が本当に求める人材をペルソナとして定義し、そのペルソナに対して効果的にアプローチを行うことで、より効率的な人材採用が可能になるのです。
※詳しくはこちら→【なぜ人材定着が難しい?社員流出防止と定着率アップのリテンションマネージメント】
ペルソナを設定する具体的な方法
ペルソナの具体的な設定方法とその効用について把握したところで、今度はペルソナを具現化するプロセスを詳しく説明します。
ペルソナは架空のキャラクターではありますが、それが現実から離れすぎて存在しないような人物像では、その存在意義がなくなってしまいます。
採用担当者は、ただ頭の中で「理想の人材」を思い浮かべるだけではなく、自社で活躍中の社員や経営陣、現場の社員に対して「我々の企業が求める理想的な人材像」はどのような人物か尋ねてみることが重要です。
自分自身が会社に入った当初、選んだ理由や入社後に感じた期待とのギャップ、現在働いている中で他社とは一線を画す自社の強みや魅力は何かを再評価し、それらを元にペルソナ設定に役立てます。
ペルソナを設定するときには、まず全体としての一般的な人物像を大きなフレームとして設定し、その後で各部署ごとの特定の人物像を考えることが重要です。この手順を踏むことで、より具体的で現実的なペルソナ設定が可能となります。
全社間で求められる人物像を定義する
企業が採用する際に重要なのは、候補者が自社のビジョンやカルチャーにマッチするかどうかを見極めることです。そのためには、まず全社共通で求める人物像、いわゆる「ペルソナ」を明確に定義する必要があります。以下に示すのは、ペルソナ設定の一例です。ただし、新卒採用や中途採用、または企業の特性により、必要とされる項目は変わることをご理解ください。
たとえば、自社で成果を挙げている社員や長期間在籍している社員からフィードバックを得て、「営業経験があり、コミュニケーションスキルが高く、プライベートの時間を大切にする人材が多く在籍している」という情報を得た場合、それらの条件をペルソナの設定に反映させることができます。
しかし、もし「自社が停滞しており、新しい風を吹き込んでくれる人材を求めている」という状況であれば、その要素をそのまま反映するのではなく、妥当なバランスを見つける必要があります。
たとえば、休日出勤や残業が多い職場でありながら、給与が高いという企業がプライベートを重視する人材を採用した場合、その職場環境と個人の価値観が合わず、離職率が高くなる可能性があります。
そのため、ペルソナを設定する前に、「今回の採用で何を達成したいのか」、「自社の強みと弱みは何か」を分析することが必須です。自社の現状を理解した上でペルソナを設定し、その結果、理想とする人材と自社の状況にズレがある場合、そのギャップを埋めるための改善策を検討することが重要です。
たとえば、資格を持つ人材を求めているのに、現在の社員に資格保有者が少ないという場合は、資格手当を設けたり、資格取得のための講座受講費用を会社が負担するなど、福利厚生の見直しを検討することで、希望する人材に対するアピール力を高めることが可能です。
人物像を部署ごとに落とし込みをしする
全社のイメージとして描かれる「ペルソナ」、つまり理想的な社員像を部署ごとに落とし込む作業は、全社のペルソナを設定するときと同じように進めます。ただし、各部署の業務内容によって求められる特性や能力は異なりますので、その点を十分に考慮する必要があります。
例えば、営業部のペルソナを考えるときは、外勤が主な働き方で歩合制の給与体系が特徴的です。そのため、高いコミュニケーション能力を持ち、営業の成果を上げた経験があることが重要な能力となります。また、普通自動車第一種運転免許があることが望ましいです。
一方、経理部のペルソナを設定する際は、内勤が主で固定給の給与体系となります。数字に強く、安定性を重視する思考を持つことが必要とされます。そして、簿記2級の資格があることが望ましいと考えられます。
全社的なペルソナを設定すると、それが全ての部署に共通するイメージとなりますが、それでは具体的な採用活動においては偏りが出てしまう可能性があります。営業部も経理部も同じペルソナでは、それぞれの部署で求められる能力や特性に対する配慮が足りないという問題が生じます。
それを防ぐためにも、部署ごとの特性や求める能力を現場からのヒアリングを通じて把握し、それに基づいたペルソナを設定することが大切です。
さらに、ペルソナは一つだけでなく、複数設定することで、より具体的な「ペルソナ目線」をイメージしやすくなります。ただし、ペルソナAとペルソナBが大きく異なる場合は、求める人材像がはっきりしていないということを示しています。そのような場合、採用活動が散漫になり、ペルソナ設定の意味をなくしてしまいます。
欲しい人材像を明確にし、それに基づいて複数のペルソナを設定することで、一部に偏った視点やアプローチを避けることができます。また、ペルソナ設定の過程で全社、部署、個々の意識の違いが明らかになり、それによって真に求める人材像が確立され、優秀な人材の確保につながると考えられます。
ペルソナ設定後に実行すること
ペルソナを設定したら、それを永久に使い続ける訳ではないことを理解することが重要です。
ペルソナを設定した後の最重要タスクは定期的な見直しと、採用活動のためのペルソナを反映した求人票の作成です。
この記事では、ペルソナの適切な見直し方法と、求人票にペルソナをどのように反映させるべきかについて詳しく説明します。
ペルソナを見直し続ける
あなたが一度、ペルソナを明確に設定したからといって、それが何年もそのまま有効なままであるとは限りません。なぜなら、企業の内外の状況は日常的に変わるからです。これは、企業の採用活動においても例外ではありません。
たとえあなたの会社の事業内容が変わらないとしても、同僚や社内のシステムが経時的に変化する可能性があります。例えば、すでに在籍する社員の業務への熟練度は年々変わります。一昨年までは、即戦力が求められるポジションがあったかもしれませんが、去年の新入社員が一年で指導者に成長し、即戦力という要素が必要なくなることもあります。
また、社外の環境も変わります。新しいツールの登場、または新型コロナウイルスのような予期せぬ事態が働き方を一変させることもあります。「対面でのコミュニケーションが得意な人」をペルソナとして設定していた場合、テレワークが増える中で、「テキストコミュニケーションが得意な人」にペルソナを変更する必要が出てくることもあります。
このように、同じ部署で同じ業務内容の採用でも、求めるべきペルソナは日々変化します。したがって、ペルソナに基づいて採用した社員が実際に活躍できたのか、採用と実際の業務との間にミスマッチがなかったかを分析することが重要です。
もし採用と業務の間にミスマッチが見つかった場合、その原因を見つけ出し、次回のペルソナ設定に活かすことが必要です。
求人にペルソナを反映させる
本稿では、定めたペルソナを求人に反映させる手法について、以下の3つの観点から詳細に解説いたします。
・求人票への反映
・企業のホームページや採用サイトへの反映
・求人媒体への反映
【求人票への反映】
例えば、「自分の成果を自分の力でつかみ取れる、個人事業主のような働き方が可能な職場」という訴求文が強調された求人票は、「和気藹々とした職場環境を希望するペルソナ」にはあまり響かない可能性があります。
ここで「自分の成功は全員で共有し、成果は適正に給与に反映される職場」と表現を変えると、設定したペルソナに対してより強く訴えかけることができるでしょう。
求人票作成時には、ペルソナに効果的に響くような表現を意識してみてください。
【ホームページや採用サイトへの反映】
株式会社リクルートジョブズの調査によれば、求職者の80%が応募前に企業のホームページをチェックし、その後、60%の求職者が応募意欲を高めているとのこと。これは、企業ホームページの重要性を示す一つの証拠です。
参考:株式会社リクルートジョブズ「求人情報の露出を強化し、採用力を最大化 「タウンワーク」「自社採用HP」「Indeed有料枠」の3本セット 『タウンワーク オウンドパック』 新登場」
近年では、企業ホームページだけでなく、採用専用のウェブサイトを設ける企業も増えてきています。
採用サイトを設けることで、自社の魅力を存分にアピールする新たなチャンネルを手に入れることができます。
【求人媒体への反映】
採用サイトだけでなく、利用できる求人媒体は数多く存在します。
ペルソナの年齢や働き方の希望によって、最適な求人媒体も変わることでしょう。
現在ではSNSを活用した求人募集も一般的になってきており、「ペルソナがTwitterを頻繁に利用するのか、それともInstagramをよく使うのか」などから、ペルソナが一番見る可能性が高いSNSを選択し、その上で求人情報を掲載することが有効と考えられます。
まとめ
現代の採用活動は日々緊迫している状況であり、かつて使われていた採用手法で十分に人材を確保できていた企業でも、時代の変遷と共に求める人材の属性が思わぬ形で変化している可能性があります。
そこで、従来の視点で望んでいた人材と現実に求めるべき人材の間に生じているズレを解消するための一助となるのが、「採用ペルソナ」の導入です。
ペルソナを用いて見直すことで、「職歴や技術力といった経験面よりも、仕事に対する熱意や姿勢」を重視するべきだという視点に気づくこともあるでしょう。
しかし、ペルソナを設定したからと言って、社内の皆が同じ理解を持っていなければ、その採用活動には大きな意味はありません。
ここで留意すべきなのが、「ペルソナは採用の必須条件ではない」という事実です。
確かにペルソナの設定は非常に重要ですが、ペルソナを詳細に作り上げすぎると、そのペルソナに完全に合致する求職者の数は少なくなってしまいます。
採用の目的は「ペルソナに完全に一致する人物を雇う」ことではなく、「会社が本当に必要とする人物を確保する」ことにあります。
だからこそ、「ペルソナを有効利用する」ことが重要であり、手段と目的を混同しないように注意が必要です。
自社の求める採用ペルソナを明確に設定し、ペルソナを最大限に活用した採用活動を行うことで、会社が真に求める人材を明確にし、そして「採用して本当に良かった」と感じられる人材を獲得することが可能となります。