人事の仕事とは?業務内容・役割・必要スキルなどを解説します。

2023/12/08

企業が発展していく中で、人事部門は不可欠な存在となっています。人事の業務範囲やその役割を理解することにより、従業員の幸せと事業の成功を引き出すための貴重な一歩となります。

「どのような資質を持った人材を人事部に採用すべきか…」
「人事の存在意義を再確認したい…」
そういった問いを抱えている方も少なくないかもしれません。

本記事では、人事の役割、他部署との違い、必要とされるスキルなどについて詳細に説明します。
「人事」という仕事についての理解を深めたい方は、本記事をご活用ください。

目次

人事の大切な役割とは?

企業の中で「人」を中心に管理していくための役割、それが人事の仕事です。企業が目指す目標を達成するために必要な人材戦略を立案し、企業全体が健全に成長できるようサポートするのが人事の主な任務と言えます。

人事の仕事は大まかに4つのカテゴリーに分けることができます。

1. 人材の確保(採用)
2. 配置
3. 育成
4. 評価

これらを具体的に見ていくと、新しい人材の採用や選考プロセスの進行管理、社員教育や研修の企画・実施、そして社員のパフォーマンス評価とそれに基づく報酬の管理など、非常に多岐に渡る仕事を担当しております。これらの仕事を通じて、人事は企業内の「人」の管理を行い、企業全体の発展を支えています。


人事部門と総務部門の違い

企業において重要な部署として挙げられる「人事」と「総務」。これらの部署は、一見すると同じような役割を担っているように思えますが、実際には異なる目的と業務内容を持っています。以下に、それぞれの部署がどのような役割を果たすのか、具体的な違いを整理してみましょう。

まず、「総務」についてです。総務部の主な仕事は、会社で働くすべての人が安心して仕事に集中できるような環境を整備することです。具体的には、オフィスの備品管理、施設の運営、物品の調達、安全と衛生の管理などを担当しています。「対モノ」に主眼を置いた業務が多いため、従業員と直接的な関わりは少ないのが特徴です。

次に、「人事」について説明します。人事部は、従業員一人ひとりが自身の能力を最大限に発揮できるよう、そのための環境を整える役割を担っています。「対ヒト」の業務が中心となるため、従業員との直接的な関わりが多いです。具体的な業務としては、新たな人材の採用、適材適所の人材配置、能力開発のサポート、人事評価の運用などがあります。

これらの違いを理解することで、各部署がどのように企業の運営に寄与しているのか、また、自身がどのようなキャリアを望むのかによって、どの部署を目指すべきかが明確になるでしょう。


人事と労務の違いについて

「人事」と「労務」、これら二つの言葉はよく混同されることがありますが、それぞれが担当する業務とその役割は大きく異なります。この度、その違いを分かりやすく整理し、表にまとめてみました。しかし、ここで注意が必要なのは、企業の規模や組織構造により、人事が労務の業務を兼任するケースもある、という点です。

まず、「労務」について見ていきましょう。労務は、従業員の給与計算や福利厚生といった、労働者の働く環境に直結する業務を担当します。その業務内容は主に事務的なもので、従業員の働きやすい環境を裏側から支える役割が主となります。

一方で、「人事」は、給与計算や社会保険の手続き、福利厚生関係などの業務をはじめ、勤怠管理も担当します。人事の主な目的は、個々の従業員が自身の最高のパフォーマンスを発揮できるような環境を整備し、それによって組織全体の成長を促進することです。人事は「対ヒト」の業務が多く、従業員一人ひとりと直接関わることが多いのです。

その他の主な業務としては、人材の採用や配置、その能力開発、そして人事評価の運用などがあります。これらの業務を通じて、人事は企業の成長戦略の一端を担っています。


人事部の主な職務内容

人事部門が担当する業務は、その主な内容として5つの重要な範疇に区分することができます。

1つ目は人材の採用・雇用管理です。これは企業が必要とする資質を持った人材を見つけ出し、雇用契約を結び、その後の管理を行うという役割を指します。

2つ目は人材の育成という領域です。ここでは新入社員の教育や社員のスキルアップを図るための研修プログラムの立案、運営が含まれます。

3つ目は人事評価に関する業務です。これは社員一人ひとりの業績や能力を公正に評価し、それに基づいた報酬や昇進を決定する役割を果たします。

4つ目の組織配置では、社員が最も効率的に働けるように適切な配置を決定します。これには、人事異動や組照再編等が含まれます。

最後の5つ目は人事制度の整備です。これは企業の人事方針に基づいた制度を設計、整備し、その運用を行うという役割を果たします。

それぞれの業務には、特有の具体的な作業が含まれており、これらを通じて人事部門は組織全体の成長と発展を支えています。

①人材の採用及び雇用管理

採用と雇用管理は、人事業務の中でも特に重要性を帯びた作業と言えるでしょう。

自社が必要とする人材の特性を的確に見極めた上で、それに合致した人材を採用するための戦術を立案し、それを活用して具体的な採用活動を展開します。その具体的な作業内容としては、「求人広告の構築」「面接の遂行」「雇用契約の管理」「新規入社員のためのオリエンテーションの計画・実施」等が挙げられます。

現在の社会では、少子高齢化や様々な働き方の選択肢が増えるなどの要素により、採用における競争が年々厳しさを増しています。そのため、人事部門が採用業務を適切に遂行することは、企業が持続的に成長するためには欠かせない要素です。

※以下の記事では、面接の進め方や基本的な流れについて詳しく解説しています。面接官としての役割や面接を成功させるための方法、質問例なども紹介していますので、ぜひご覧ください。
→【保存版】面接の方法と基本の流れ 面接官の役割や成功させる方法、質問例もご紹介 ※次の記事をこの内容にしますのでリンクを貼ってください

②人材の育成

人事部門が果たす中心的な役割の一つとして、スタッフのスキルや知識の増強に向けた援助が挙げられます。これは組織全体の力を向上させ、その結果、企業の成長を支える重要な業務となります。具体的には、スタッフ一人ひとりのキャリアの進展を見据えた計画の作成や、必要なトレーニングプログラムの設計・実施、そして継続的な学習を推進するためのサポートなどが含まれます。

近年では、従来の直接会って行う研修に加えて、オンラインセミナーやeラーニングといった、インターネットを通じて行うことが可能な人材育成の方法が普及してきています。これにより、スタッフが自分のペースで学ぶことが可能となり、より自由度の高い学習環境が提供できるようになりました。人事部門の役割として、これらの新たな教育方法を調査し、従業員が自身のスキルを磨き、組織への貢献を最大化できるような教育体系を選択・提供することが必要です。

③人事評価について

人事評価とは、従業員の業績や態度を評価し、適正な報酬とキャリアパスを決定するプロセスを指します。

「等級制度」「評価制度」「報酬制度」の3つの基準を用いて、人事部門が評価方法を明確に定義します。そして、評価者と評価対象者の間で理解を共有することで、公正な評価を実現します。
公平性を保った人事評価は、企業のビジョンの理解と従業員のやる気を引き上げる効果があり、組織全体の生産性向上に役に立ちます。

※以下の記事では、人事評価制度の目的や設定手順について詳細に説明しています。
→人事評価制度とは?制度の目的と作り方を徹底解説 次の次の記事に掲載しますので、こちらのリンクをご覧ください。

④組織の配置

組織配置、または「人材配置」とは、企業全体での人材の配置を策定し、最適化を図る業務を指します。

従業員個々の能力を最大限に引き出す環境作りや、チーム全体がスムーズに機能するための配置を行うのがその主な仕事です。それぞれの役職やポジションを考え、全体としてのバランスを考えながら最良の配置を計画します。

人事部門は、全体の視野を持ち、最適な組織配置を構築することで、企業全体のパフォーマンス向上に役に立ちます。この仕事は、全体最適の視点から見れば、企業の成果を最大化するための重要な業務と言えます。

⑤人事制度の整備

人事制度という言葉は、企業がその人材を効率的に運用するための全体的な仕組みを指しています。

具体的な例を挙げると、労働者の担当者と手を取り合い、給与体系の見直しを行ったり、従業員が幸せに働けるような福利厚生制度を導入したりします。また、労働基準法や就業規則に則った働き方が行われているかどうかをチェックすることもこれに含まれます。

人事制度がきちんと整備されていると、組織全体の透明性と公平性が維持され、従業員がより働きやすい職場環境が形成されます。これにより、企業は従業員の満足度を高め、生産性を向上させることが可能となります。したがって、人事制度の整備は企業の成功にとって極めて重要な要素と言えるでしょう。


人事部門の平均年収

人事の分野における平均的な年収については、公式な統計データが存在しないのが現状です。しかし、多数存在する求人情報を基に考えてみると、その平均年収はおおよそ年間400万円から600万円程度になると見受けられます。

これは、勤務地や企業の規模、さらにはその人が具体的にどのような業務を担当しているかによって変動するものです。人事の役割は組織運営において極めて重要なものであり、その重要性に相応しい報酬が支払われることが一般的です。そのため、自身のキャリアを積み重ね、良い成果を出せば、年収が上昇する可能性も十分にあると言えます。


人事部の重要な役割

企業にとって人事部は絶対に欠かせない存在ですが、具体的にどのような側面でその重要性が強調されているのでしょうか。以下では、人事部の重要性について詳しく説明します。

企業の運営において人事部が果たす役割は非常に大きいです。それは、企業の中心的な機能を担っているからです。人事部が存在しなければ、社員の雇用・教育・評価などの一連の仕事が滞り、企業の成長が阻害される可能性があります。また、人事部は社員の福利厚生や労働環境の改善にも関与します。これらの業務を適切にこなすことで、社員の満足度を高め、組織の生産性を向上させることが可能となります。

さらに、人事部は企業のビジョンや目標に対してどのように社員を配置するか、または新たな人材をどこから獲得するかといった戦略的な視点からも重要です。具体的な人事戦略を立て、それを実行することで企業全体の業績を向上させることができます。

以上のように、人事部は企業の成長と発展に対して重要な役割を果たします。企業の成功を目指すならば、人事部の存在とその重要性を理解し、適切に活用することが必要不可欠です。


経営陣のサポート

人事部門が果たすべき最重要の任務の一つが、経営陣の強力な補佐です。経営戦略や目指すべき経営目標を具現化するためには、適切な人物を採用し、現在の従業員に対して適切な訓練を施し、それぞれの能力に応じた適切なポジションに配属するという戦略的な思考が必要です。

さらに、経営陣が示す企業のビジョンに基づき、企業文化の形成やコミュニケーションの推進などを行うのも人事部門の大切な役割です。経営陣と人事部門との緊密な連携こそが、企業の成長を促進し、成功への道を開く重要な要素となります。


企業を発展させるため

人事の役割は、企業の成長と発展を促進し、サポートすることにあります。

具体的な仕事内容としては、優秀な人材の採用と、その育成に努めることが挙げられます。人材が企業の大切な資源であると認識し、彼らのモチベーションを高めることで、組織全体の生産性が向上します。これにより、企業はその競争力を強化することが可能になります。

さらには、組織内で発生する課題や改善すべき点を見つけ出し、それらを解決するための戦略的な人事政策を策定します。これにより、企業は未来に向けた戦略的なプランを描くことができ、その実現に向けて一歩一歩進むことが可能となります。これらが人事が果たす、企業の発展を図るための大切な役割となります。


人事情報の集約化のため

組織の規模が拡大するとともに、従業員の情報はますます複雑になります。そのために人事部門は、多量の人事データの収集とその集約化を行う重要な役割を果たしています。

しかし、人事部門の役割は単に情報管理にとどまりません。従業員のデータやパフォーマンス情報を詳細に分析し、それを戦略的な意思決定に役立てることが必要です。人事情報の適切な管理と分析を通じて、組織全体の効率性を高め、問題が早期に発見され、適切な対策が講じられるようにすることが可能になります。これは、組織の健全な成長と発展にとって必要不可欠なプロセスと言えるでしょう。


大手と中小の人事部の違い

大手企業と中小企業という異なる規模の会社における人事部門の仕事は、その内容や役割において様々な違いを見せます。以下では、それらの主要な違いについて、具体的かつわかりやすく説明いたします。この情報が、あなたが会社の規模による人事部門の違いを理解し、それぞれの特性を活かすための一助となれば幸いです。

大手企業の人事部の業務内容

大企業の人事部門には、広範囲かつ多角的な業務が存在します。大企業特有の人事業務について、以下で詳しく説明いたします。

■人材採用と雇用戦略の策定
大企業は多種多様な職種と部門を持っています。人事部門は、それぞれのポジションに対して的確な採用計画を策定する役割を持っています。戦略的な観点から採用活動を行い、効果的な雇用戦略を定めることが必要です。

■組織の戦略的な配置
多様なスキルと才能を持つ従業員を、最適な部署やプロジェクトに配置することで、組織全体の効率性を向上させることが重要です。このために、組織の再編や配置転換といった詳細な計画作りとその実行が行われます。

■従業員のトレーニングと能力開発
大企業においては、役職や階層が細かく分かれているため、それぞれのポジションに応じたトレーニングの実施が必須となります。そのポジションが持つ役割や意義を考慮に入れた上で、能力開発のためのトレーニングが行われます。

■労使関係の調整
大企業では、労使間の調整や労働組合との交渉が必要な場合があります。その際に、人事部門が中心的な役割を果たすことで、企業全体の調和と円滑な運営に役に立ちます。

中小企業の人事部の業務

次の段落では、中小企業での人事部門が担当する特有の業務について詳しく説明します。

■人材の募集と選考プロセスの運営
中小企業では、リソースが限られていることが多く、人材募集についても特に効率的なやり方が必要です。魅力的な求人広告を作成し、選考プロセスをきちんと運営することで、人材のミスマッチを防ぎ、適材適所に人材を配置することが重要になります。

■リーダーシップの育成
中小企業が拡大し、組織が形成される過程で、各部門を統率するリーダーの必要性が高まります。このため、リーダーを育成し、組織を牽引する力を持つ人材を形成するための研修やセミナーの実施が必要となります。

■労働者との密なコミュニケーション
中小企業の人事部では、従業員との距離が近いため、コミュニケーションが密接となります。これにより、日々の業務において、労働者の要望や問題を直接受け取り、それに対応するという役割が必要です。

■他部門の業務との兼任
規模が小さい企業では、人事部門が他の部門、例えば労務や総務の業務を兼任するケースも見られます。このような状況では、様々な業務をスムーズに運営できるような柔軟な対応力が必要です。


人事の魅力

人事部門は、その活動が直接的に従業員の成長促進や企業の成功を左右し、更には社会全体にプラスの影響をもたらす重要な役割を担っています。それぞれの従業員が自己実現を果たし、組織全体が良好なパフォーマンスを発揮できるようにサポートする人事部門の仕事は、その結果を目の当たりにすることができるやりがいの一部と言えるでしょう。今回は、そんな人事職の魅力や仕事の達成感について詳しく解説します。

企業の顔としての責任感ある仕事ができる

人事という役職は、その名の通り「企業の顔」として、非常に重要な役割を担っています。採用活動を進めること、従業員が抱える問題を解決することなど、その業務は企業内外からの信頼と期待が常に寄せられるものです。そのため、人事の仕事は常に責任感を持って取り組む必要があります。

企業のイメージを築き上げ、さらにそれを維持するという役割は大きな責任を伴いますが、その一方でその達成感は人事職における大きなやりがいともなります。人事という職種は、企業の顔として責任感ある仕事ができる、そんな特性を持っているのです。

組織と社員の成長に関与できる

人事部門の役割として、個々の従業員が自身の能力を伸ばし、組織全体としても進化を遂げる様子を間近で見ることができるという点が、非常に満足感を得られる部分です。

具体的に考えてみましょう。新入社員時代には、まだ多くのスキルに欠けていたある従業員が、時間と共に自己を磨き上げ、数年後には重要なプロジェクトのリーダーとして活躍する姿を見ることができたら、人事としての喜びもひとしおです。

それぞれの社員が自身の才能や可能性を最大限に引き出し、組織に貢献できるように、背中を押し、応援し、サポートする。それが人事の役割であり、その達成感が、人事の仕事における最大のやりがいと言えるでしょう。

人事の仕事に必要なスキルと適性の高い人物

人事という職務は、一人ひとりに対して何が最適なのかを見極め、適切な人材配置を行うためには、特定のスキルセットや特性が必要となります。この特定の職務は誰にでもできるものではなく、その重要性や独特の性質から、特定のスキルや性格が必要とされます。この記事では、人事専門家として成功するために必要とされるスキルや、この業界で活躍できる人々の特性について深く掘り下げていきます。

明るい対応ができる

人事という職務においては、社内の従業員や新たに採用を検討している候補者とのスムーズなコミュニケーションが、非常に大切な要素となるのです。

そのために欠かせないのが、常に明るい、ポジティブな態度であること。これにより、相手が安心して自分の思いや悩みを打ち明けられるような環境を作り出すことができるのです。人事担当者自身が明るく、前向きな態度を持つことで、それが従業員や採用候補者にも伝わり、彼らの心も明るくなるでしょう。その結果、全体の生産性が向上し、採用候補者の入社意欲も増すという、好循環を生み出すことが可能となるのです。

コミュニケーション能力がある

人事というポジションは、内外のさまざまな人々との対話が日々の業務に欠かせません。上司や同僚、部下、そして求職者とのスムーズなコミュニケーションを通じて、重要な情報を集め、問題の解決や重要な決断を行うのが役割です。

ただ単に能力があるか否かだけでなく、人と交流すること自体を好きかどうか、これも重要なポイントです。対人関係を楽しむことができる人であれば、人事の仕事をより効果的に、そして楽しく遂行することができるでしょう。

人に関心がある

人事業務に向いている人の一つの特徴として、「人に対する深い興味」が挙げられます。

人事業務は、個々の応募者のスキルや性格を探求し、理解する作業が必要です。そして、それぞれの従業員が持つ特性や才能を把握し、それに最適な職場環境や位置づけを提供することを目指します。このような「人間に対する」業務は、根底に「人間への興味」という要素が必要とされています。

人に興味を持つことで、その人が持つユニークな特性や考え方、または問題を深く理解することが可能になります。その結果、その人に最適な提案やサポートを提供することができるのです。このような「人への興味」は、人事職において非常に重要な役割を果たします。

相手の立場から物事を考えられる

採用において一番重要なことの一つが、相手の立場に立って考えることです。これは、問題解決のアプローチを考える際に特に重要となります。これができる人は、採用に向いていると言えるでしょう。

人事部門では、異なる立場や視点を持つ人々とやり取りをすることが日常茶飯事です。そのため、公正かつフェアな判断を下すことが必要です。これには、相手の立場に立つ能力が不可欠となります。

求職者や現在の従業員、経営陣といった関わりのある人々の立場は様々です。しかし、その一人ひとりが何を考え、何を感じ、そしてその背後にある理由は何かを理解することが大切です。それができる人こそが、真に有能な採用のプロフェッショナルと言えるでしょう。

進捗管理能力を持つ

人事部門の業務は、多種多様なプロジェクトや課題を含みます。

これらの業務を円滑に進めるためには、全体の進捗を的確に把握し、必要な作業を期限内に進行させる能力が必要です。進捗管理能力を持つ人は、予期せぬ問題が発生した際でも、余裕を持って対応することが可能です。その結果、業務の成功を確実に導くことができます。

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論理的思考力がある

人事業務は、頻繁に複雑な課題に直面します。どんな状況であろうとも、データや情報を基に精確な判断を行い、組織全体や従業員一人ひとりにとって最善の選択肢を提供することが、その主な役割となります。

例を挙げると、新たな仲間、つまり内定者を選ぶ際には、採用計画を考慮し、自社に最適な人材が誰かを見極める必要があります。このような重大な決定を下すにあたり、主観的な視点を極力排除し、論理的な思考力を積極的に活用して問題を解決することが絶対的に必要となります。

機密情報を守って対応できる

採用における人事の役割は、求職者からの応募情報や従業員のパーソナルな人事データ等、秘密保持が必要な情報を日々取り扱うことが含まれます。

従業員のプライバシーや会社の機密情報をしっかりと守るためには、情報が外部に漏れ出ないよう、厳重な対策を講じることが大切です。なぜなら、機密情報の管理とそれに対するセキュリティ意識が低下してしまうと、情報が外部に漏洩してしまう可能性があり、その結果、組織全体の信頼性を失ってしまうからです。これは、組織内部の信頼だけでなく、外部からの信頼も揺らぐ可能性があります。そのため、機密情報を適切に保護し、必要なセキュリティ対策を講じることは、人事の重要な役割の一つと言えるでしょう。

人事で磨けるスキル

人事という業務に携わることは、多彩で深いスキルを身につける絶好の機会であり、それらのスキルは職場内外で大いに役立つものばかりです。この記事では、そういった人事業務により獲得可能なスキルの中から、特筆すべきものをピックアップし、詳しくご紹介させていただきます。

法令についての知識

人事部門という職場は、様々な法律規定と密接に結びついています。労働基準法、男女雇用機会均等法、個人情報保護法など、これらの法律は、日々の業務を遂行する上で避けては通れません。

これらの法令を深く理解し、業務の中で遵守することは、人事部門の重要な仕事の一つです。そして、その遵守によって、法令に関する知識が自然と身についていくことでしょう。

法令は時間と共に変遷し、新たな規定や修正が随時行われます。そのため、常に最新の法令情報を追い求め、それを組織全体に適切に伝えることが必要です。

このように、法令に関する知識は人事部門における重要なスキルの一つであり、その理解と適用が、組織の健全な運営に大きく役に立ちます。

コミュニケーション能力

私たちの日々の生活において、人々と頻繁に接触することで自然とコミュニケーション能力は向上します。ただ単に話す技術を磨くだけではなく、一人ひとりの価値を尊重し、それを心掛けながら対話を行うことで、相手の視点に立つことができるコミュニケーションスキルが鍛えられることでしょう。

コミュニケーション能力は、どの職位においても極めて重要なスキルとなります。従業員が自身のコミュニケーション能力を高めることで、組織内で他の職務を任されたり、リーダーシップを担うポジションに就くことも可能となります。これは、高いコミュニケーション能力があることで、他のメンバーとの円滑なコミュニケーションが可能となり、組織全体の効率と生産性を向上させるためです。

戦略的な思考

人事部門は、単純な作業を遂行するだけではなく、全社の戦略を理解し、それに連動した活動を求められる重要な役割を果たしています。さらに、会社の成長と成功を目指すためには、長期的なビジョンをしっかりと持ち、それを具体的な行動に移す力が必要です。

「この採用計画がビジネスにどのような影響を与えるのか?」、「この人材が持つスキルは、このプロジェクトにどのように活かせるのか?」というような問いを常に考えながら、全体の戦略を見据えた思考力を養うことが必要です。人事部門の役割は、単にタスクをこなすだけではなく、組織全体を見渡し、未来を見据える戦略的思考力が必要とされるのです。

秘密保持

人事部門では機密性が要求される情報に日々触れることが少なくありません。従業員一人ひとりのプライバシーや、組織全体の戦略的な情報など、これらを適切に管理し、情報漏洩の防止に万全の対策を施すことが求められています。

秘密を守ることで、組織や従業員からの信頼を築くことができます。この責任を果たすためには、言葉遣いや行動も慎重である必要があります。その結果として、秘密保持に対する意識が高まり、より良い人事ビジネスを展開するための土壌ができあがります。


人事業務に活用できる資格

人事という専門職における効果的な業務遂行のためには、幾つかの資格が役立つと言われています。これらの資格を持つことで、あなたの専門性や知識を一段と高め、より進んだ能力を持つことが可能となります。以下では、人事の職務において有益とされる資格について詳しく説明します。

①社会保険労務士

社会保険労務士とは、労働法や社会保険について深い知識を持っている専門家で、労働者の雇用契約、給与計算、労働保険などの労働管理に関するアドバイスや支援を提供する能力を証明する資格です。

この資格を持つことにより、労務についての専門的なアドバイスやサポートを提供することができ、企業が法律を遵守することを助けることができます。さらに、労務問題の予防や解決にも大いに役立ちます。そして、社会保険労務士が所属していると、組織内外からの人事部門の信頼性や専門性が向上することが期待できます。特に、人事部と労務部が一体となって運営されている企業においては、この資格はとても有益であると言えます。

【参考文献】
社労士とは|全国社会保険労務士会連合会

②キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントとは、それぞれの働く人々のキャリア形成や職業選択を手助けする特別な資格を指します。2016年の4月に職業能力開発促進法が施行された際に「国家資格」として認定されました。

キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、各個人の具体的なニーズに応じたカウンセリングスキルが必要となります。そのため、人事部門との相性が非常に良いとされています。従業員各々の課題や野望を理解しつつ、人材の適切な配置や成長の機会を提案し、組織全体と従業員双方が共に満足できるキャリアの戦略を策定します。

【参考情報】
キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント|厚生労働省

③衛生管理者について

衛生管理者とは、職場の健康環境を監督し、労働者の健康を維持するための重要な役割を果たす職業です。彼らの存在は絶対不可欠であり、50人以上の従業員を持つ企業は、労働安全衛生法第18条と労働安全衛生法施行令第9条に基づき、必ず専門の衛生管理者を配置することが必要です。

仮に衛生管理者を専任すべき状況が生じた場合、企業はその事由が発生してから14日以内に衛生管理者を配置し、その事実を地元の労働基準監督署に報告する必要があります。報告は報告書を提出することで行われます。

衛生管理者の資格試験は決して容易ではありません。第一種の合格率が約40%、第二種が約50%というデータがそれを証明しています。そのため、企業は事前に必要な措置を講じ、早めに試験の手配をすることを強く推奨します。

参考リンク:受験資格|安全衛生技術試験協会
このウェブサイトでは、試験の詳細や受験資格について詳しく説明されています。

④メンタルヘルス・マネジメント検定試験

メンタルヘルス・マネジメント検定とは、労働者の精神的健康状態を保護・管理するための能力を評価・認定する資格です。ストレスや精神的な問題に対して適切に対応し、その管理能力を身につけることが目的となっています。

この検定はⅠ種からⅢ種までの3つのレベルが設けられており、それぞれが異なる対象者と目的を持っています。例えば、「Ⅲ種は一般社員向け」とされているように、それぞれの資格が対応する職位や役割が異なります。

昨今、職場におけるメンタルヘルスの重要性がますます認識されており、その結果、組織内での精神的なストレスの管理やサポートが強く求められています。メンタルヘルス・マネジメント検定を取得することで、企業は従業員の心の健康を維持・向上することができ、その結果、生産性の向上や労働環境の改善に貢献することができます。

【参考情報】
試験について|メンタルヘルス・マネジメント検定試験


人事専門家として働くための方法

人事ポジションへの複数の進む方法については、以下のいくつかのアプローチを詳しく紹介します。

社内異動

社内異動は、既存のメンバーを人事部門に移動させる手段の一つとなります。

この方法により、企業はすでに組織の文化やプロセスを理解している社員を選任することが可能となります。そのため、業務を安心して任せることができるのです。また、社員にとっては、新たなキャリアの道を模索する機会を得ることができ、自身のキャリアビジョンを拡大するチャンスとなるのです。

しかしながら、人事部門に適している人とそうでない人が存在します。そのため、異動を行う時には、個々の社員が人事部門で必要となるスキルや知識を持ち合わせているか、更にはそれらを獲得するための意欲があるかどうかを確認することが重要となります。

正社員の求人応募

あなたが正規の社員として働きたい場合、企業が求めている人事専門家の役割に応募する手段が存在します。

人事専門家という職業は、どの企業においてもその存在が不可欠であり、その組織が大規模化するにつれて、必要とされる人員も増加します。求人情報サイトや転職専門のウェブサイトを調査すると、人事専門家の募集がかなり多数存在していることが理解できるでしょう。

求人に応募する際の基本的な手順としては、履歴書や職務経歴書を提供し、面接を受けることが挙げられます。企業が求人情報を公開する際には、その企業が求めている特定のスキルや経験を詳細に明記することで、応募者を適切に選別することが可能となります。これにより、企業は応募者の中から最も適合する候補者を選ぶことができます。

派遣社員

特定の期間だけ活躍するプロジェクトや、一時的な人事業務に関わる場合、派遣社員という選択肢を考慮することも可能です。

派遣社員として働くことは、自身の実務経験を重ねつつ、人事における基礎的なスキルを磨く絶好のチャンスとなります。派遣会社による運営体制によっては、派遣先の企業にて将来的に正社員として雇用される可能性も秘めています。このように、派遣社員は一時的な雇用形態であるだけでなく、自身のキャリアを広げる機会を提供してくれる重要な選択肢の一つと言えるでしょう。


まとめ

人事部門は、企業内で働く「人」を最適に管理し、その能力を最大限に活用するための大切な役割を果たします。その主要な業務は、「人材の採用」、「配置」、「育成」、「評価」であり、これらは全て従業員の幸せやビジネスの発展に直結します。人間と組織の成長を手助けする人事部門は、非常にやりがいのある職場で、その仕事を存分に楽しんでいただきたいと思います。

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