ハローワークを使いこなすことで、人材採用の効率を大幅に上げることができます。これにより、候補者とのコミュニケーションや企業の説明会の開催といった他の重要なタスクに費やすことができる時間が増え、それまでかかっていた時間とコストを節約することが出来るようになります。
本記事では、ハローワークをどのように効果的に活用するか、そして応募者の数を増やすための効果的な求人項目の書き方についてご紹介します。これらの情報を活用して、より効果的な求人活動を行うための知識を深めていただければ幸いです。
目次
- ハローワークの効果的な活用法・メリット
- ハローワークで求人募集を行う4つのステップ
①ハローワークの管轄への訪問
②事業所の新規登録
③求人申込書の提出
④求人票の受け取り - ハローワークでの求人募集のメリット
・採用コストの削減
・利用者が多い
・求人掲載が簡単
・求職者を安心させられる - ハローワークで応募を増やすための7つの求人項目ごとの効果的な書き方
①公開希望
②職種について
③職務内容
④必要な経験とスキル
⑤賃金
⑥事業所からのメッセージ
⑦選考について - まとめ
ハローワークの効果的な活用法・メリット
ハローワークの存在は多くの人にとって馴染み深いものですが、その活用方法について深く知られているとは言えません。今回は、ハローワークを最大限に活用するための効果的な使い方とそのメリットについて掘り下げていきます。
ハローワークで求人募集を行う4つのステップ
採用活動を行う上で、ハローワークに求人を出すことは一つの重要な選択肢です。しかし、初めての経験や採用業務のみならず他の業務も担当している場合、どのような準備が必要なのか、どのような手続きが必要なのかといった疑問や不安を抱いている採用担当者も多いかと思います。
しかし、実際にはハローワークでの求人掲載は、以下で紹介するたった4つのステップによって簡単に作成できるのです。これらの手順を理解して準備を進めることで、スムーズに求人を出すことが可能となります。
ハローワークの管轄への訪問
ハローワークへ求人情報を掲載しに行くというのは、採用において必要不可欠なステップとなります。求職者と企業を結びつけるための一つの重要な窓口であるハローワークに、企業として自社の求人情報を提供することは、質の高い人材を確保するために重要な役割を果たします。
インターネットから企業の詳細情報を入力し仮登録を行うことはできますが、これはあくまで一時的なものです。本登録には、ハローワークの担当者が仮登録の内容を確認し、適切であると判断した後になります。
そのため、仮登録後にハローワークから本登録のために来所するよう要請されることがあります。その際には、要請に応じてハローワークに出向き、必要な手続きを進めていくことが必要です。
また、企業の住所により管轄するハローワークが異なるため、自社の住所を元にどのハローワークが管轄しているのかを事前に調査しておくことが重要です。これにより、スムーズに手続きを進めることができます。
事業所の新規登録
事業所を登録する手段は二つあります。
1.ハローワークの端末を用いて必要な情報を入力するか、専用の書類に手書きで記入し、ハローワークの窓口に提出する
事業所登録に求められる情報には、企業名、企業の所在地、事業の概要、資本金、会社の特色、連絡先、最寄りの駅、福利厚生の詳細などが含まれます。
特に、会社の特色や事業の概要は、求職者にとって魅力的に見えるよう、表現方法に工夫を凝らすことが重要です。
情報を漏らさず、スムーズに登録作業を進めるためにも、前もって情報を整理しておくことをおすすめします。
2.ハローワークのオンラインサービスを利用して事業者登録を行う
ハローワークに足を運ばずとも、自社や自宅のパソコンから事業者登録を行うことが可能です。
自社の製品カタログや本社の外観、営業所の外観、自社の概要をまとめたパンフレットなどの画像をアップロードすることも可能です。
ただし、オンラインで行う事業者登録はあくまで予備登録であり、ハローワークによる確認の後、正式な登録に移行する点については、注意が必要です。
求人申込書の提出
求人申込書の提出工程は、事業者としての登録方法と相似しております。具体的には、専用のフォームに必要事項を記入し、それを直接公共職業安定所(ハローワーク)の窓口に届ける方法と、オンラインでの申請方法の2つがございます。
しかし、一つ留意していただきたい事項があります。オンラインでの申請は仮登録の段階に過ぎず、情報を入力した後、14日以内にハローワークの窓口にて本登録を行う必要があります。
求人申込書に記載する情報としては、職務内容、労働時間、休日、残業時間、給与、そして採用区分(正社員かそれ以外か)等が含まれます。
また、福利厚生、定年制度の年齢、採用選考の手法、各種手当(残業代の有無や役職手当など)についても、はっきりと明示することが求められます。これらの詳細な情報は、求職者が職場環境を理解し、自身に適した仕事を見つける上で非常に重要となります。
求人票の受け取り
求人情報の登録が終わったら、次に進むステップは求人票の作成です。これは企業がハローワークに提供した情報を基に、求職者がアクセスできる形にまとめられたものです。
求人票は、ハローワークの窓口で企業からの求人申込みが受理され、その後ハローワークの検索システムに反映されることで、求職者が求人情報を閲覧できるようになります。これが企業と求職者の最初の「出会い」の場となります。
そのため、求人票の内容はとても重要です。これが求職者の企業に対する第一印象を決定し、応募するか否かの決定を左右する可能性があります。
企業としては、求人票に自社の登録内容が正確に反映されているか確認することが必須となります。誤った情報が掲載されていると、求職者に誤った印象を与えるだけでなく、採用プロセスにも影響を及ぼす可能性があります。
したがって、求人票の作成とその内容確認は、採用活動の中でも特に重要なプロセスとなります。一つ一つ丁寧に、そして正確に進めていきましょう。
ハローワークでの求人募集のメリット
あなたが採用活動を始めるにあたり、何から手をつければ良いか迷っているなら、ここで紹介する求人作成の4つのステップが参考になるでしょう。効率的な採用活動には、魅力的な求人の作成が欠かせません。多くの応募者に見てもらい、採用コストを節約するためのステップを紹介します。
次に、公共職業安定所(ハローワーク)で求人募集を行う利点について解説します。ハローワークを活用することで、採用活動の成功に大きく寄与する可能性があります。
採用コストの削減
企業が新たな人材を採用する際には、求人を広く周知するための広告費や、成功した採用に対する紹介料といった費用が必要となります。これらは一般的な民間の求人サービスを利用する場合には避けられないコストとなります。しかし、ハローワークという公的な求人サービスを利用すると、これらのコストを大幅に削減することが可能となります。ハローワークでは求人の掲載料金や成功した採用に対する紹介料といった費用は一切発生しません。
このように、ハローワークを利用することで採用にかかる費用を大きく抑えられるため、特に資金面で制約のある中小企業にとっては大きな魅力となります。加えて、ハローワークの求人掲載期間は最長で3ヶ月間とされていますが、もし採用が決まらなかった場合でも無料で掲載期間を延長することが可能です。この点も、コストを抑えつつ最適な人材を探し続けることができるという意味で、大きなメリットと言えるでしょう。
利用者が多い
ハローワークは、全国の約540箇所に存在することで、利用しやすい体制を整えています。その利用者数は、日にちによっては約17万人にも上ると言われています。
その利用層は多岐にわたり、新たに社会に足を踏み入れようとする若者から、定年後の新たな生活を模索するシニア層まで広範に及びます。そのため、企業側からすれば、多種多様な人材に自社の求人情報を届けることが可能なのです。
ハローワークは、単に求人情報を提供するだけでなく、地域の総合就職支援として機能しています。就職のサポート、職業の紹介、企業の雇用対策といった雇用に関する様々なサービスを提供しているのです。これらは、求職者だけでなく企業側にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
ハローワークは地元の採用に強みを持っています。都心部から地元へ戻りたいと考える人々も利用するため、地元に根ざした採用、いわゆるUターンやIターン採用にも大いに役立つと言えるでしょう。
求人掲載が簡単
インターネットとデジタル技術の進歩により、物理的なハローワークのオフィスに足を運ばずとも、求人情報の掲載や応募の状況確認が可能となりました。
求人情報の掲載は簡単かつスピーディに行うことができます。これは、「早期に新しい職につきたい」という求職者や、「可能な限り早く新たな人材を募集したい」という雇用者にとって、メリットとなります。ハローワークの利用は、求人募集や就職活動を迅速に始める手段として、大いに役立ます。
求職者を安心させられる
ハローワークは、厚生労働省の監督下にある公的な就職援助機関として広く認知されており、その信頼性により、企業も求人者も気兼ねなく利用することができます。
また、この機関は求職者だけでなく、雇用者にも対応しています。具体的には、どのように求人広告を作成すればよいかについての助言を得ることが可能です。これにより、適切な人材を引き寄せ、企業の成長を促進するための手助けをしています。
ハローワークで応募を増やすための7つの求人項目ごとの効果的な書き方
単に求人情報を記述するだけでは、あなたの企業の魅力は求職者に十分に伝わりません。
大勢の人々に自社の求人情報を閲覧してもらい、更に「この企業に面接を受けてみたい」と感じさせるような魅力的な求人情報を作り上げるためには、どのような点に配慮するべきなのか、一緒に探っていきましょう。
①公開希望
一度ハローワークに求人票が受理されると、それは全国のハローワークの検索機やインターネットサービスを通じて公開される仕組みになっています。
しかし、全ての求人情報を公開したくない、という企業様のニーズに対応するために、ハローワークでは求人情報の公開方法を4つから選択することが可能です。
その1つ目は「すべての求職者に対して事業所名等を含む求人情報を公開する」ことです。これは、全ての求職者に対して自社の情報を公開し、広範な応募を募る場合に適しています。
2つ目は「ハローワークの求職者限定で事業所名等を含む求人情報を公開する」ことです。これは、ハローワークを利用する求職者に限定して求人情報を公開するため、より具体的な求職者を対象にすることができます。
3つ目は「事業者名等を含まないで求人情報を公開する」ことです。これは、企業名などの具体的な情報を明らかにせずに求人情報を公開するため、匿名性を保ちたい企業に適しています。
そして最後の4つ目は求人情報を公開しない(窓口での情報公開のみ)」「という選択肢です。これは、ハローワークの窓口でのみ求人情報を公開する方法で、特定の求職者に情報を限定したい場合に適しています。
これらのオプションを活用し、自社の状況やニーズに応じた最適な公開方法を設定しましょう。
②職種について
求人情報の中で特に重要な部分が、職種の記載です。それはなぜなら、求職者が自分の希望する職種にマッチしているかを評価するための基準となるからです。
求人情報を見る際、候補者が自分が果たすべき役割や業務内容を具体的に理解しやすいようにすることが望ましいです。
例えば、
・営業職の場合:自社製品の販売だけでなく、取り扱い製品の詳細、営業エリア、会社の車の利用の有無、必要な経験年数などを詳細に記載することが推奨されます。
・調理師の場合:レストランでのメニューの種類、席数、作業内容などを記述すると、求職者が具体的な業務内容をイメージしやすくなります。
求人申込書を作成する際は、職種の分類(例えば、階層や名称)や職種名を適切に選ぶことにより、同じような職種との差別化が可能となります。これによって、求職者が自分のスキルや希望に最も適した職種を見つけやすくなるでしょう。
③職務内容
求職者が求人に興味を持つ際、最も大切な要素の一つが職務内容の説明です。
具体的でわかりやすい職務内容の説明は、求職者が自分がどのような仕事をするのかを理解しやすくし、企業への不安を軽減する助けになります。これが結果的には、求人への応募確率を高める要因となります。
職務内容を表現する際の重要なポイントは、求職者が求人情報を見た際に、自分の能力や経験と比較して、自分がその仕事をこなせるかどうかを判断できるような情報を提供することです。
具体的な仕事内容を詳細に記載することで、求職者が実際の職場環境をより明確にイメージできるようにしましょう。
例えば、以下のような情報を記載すると良いでしょう。
・経理の場合:使用する会計ソフトの有無、そのソフトの名前、作成する必要のある資料など
・販売員の場合:販売する商品が女性向けか男性向けか、主な顧客層の年齢、販売目標の有無、その他の業務(在庫管理や顧客管理、ディスプレイの頻度等)等
④必要な経験とスキル
ある職種における勤務に必要な経験や知識、技術力が明確にあるのであれば、「必須」と明示するか、「あれば尚可」という形で提示することが重要です。
なぜなら、「求人に応募した後で、企業から特定の資格や技能が必要だと言われる」という経験は、求職者にとっても企業にとっても不快なトラブルの原因となるからです。そのため、業務において必要な経験や知識、技能がある場合は、それらを全て列挙して求人票に記載することをおすすめします。
一方で、特に必要とされる経験や知識、技能が無い職種の場合は、「不問」と明記することが望ましいです。こうすることで、未経験者でも挑戦しやすい環境が整い、求職者層を広げることが可能になります。結果として、企業側もより多くの求職者から選択するチャンスが広がるでしょう。
⑤賃金
賃金の形態については、月給制や年俸制などから選べるので、その詳細を記載しましょう。さらに、賞与や昇給の有無も明示することが大切です。
求職者にとって、これらの情報は将来の生活設計に大きな影響を与えます。そのため、正確な情報提供が重要となります。
また、賞与や昇給については、具体的な実績に基づいて記載することが求められます。「求人内容と現実が異なる」と感じると、入社後のトラブルへとつながる可能性があるため、十分な注意が必要です。
⑥事業所からのメッセージ
求人票には取り入れることができませんが、ウェブサイトや求人情報検索画面、さらにはハローワークの窓口でサービスを利用する求職者に対して、事業所からのメッセージを伝えることが可能です。
事業所からのメッセージには最大600字までの文言を含めることができ、これは求人票では伝えきれなかった企業の魅力や特色、企業文化、または従業員がどのように働いているかといった情報を追加で表現するためのものです。
ウェブサイトで求人情報を閲覧する求職者がこのメッセージを目にすることもあります。そのため、企業としては最後の追い込みとして活用することが推奨されています。このメッセージは、求職者が求人票だけでは得られない企業の個性や働き方を理解するための重要な情報源となる可能性があります。
⑦選考について
採用する際の人数、そして採用に至るまでの手続きは、求人情報を見た求職者が理解しやすいように詳細に記述します。一般的な例としては、まず書類選考が行われ、その後一次面接、最終面接と進行し、最終的に採用となる、という流れを取ることが多いです。
また、面接が行われる場所や最寄り駅の情報、採用が決まった際の通知方法についても明記しましょう。さらに、もし応募者が不採用となった場合には、応募した書類の返却方法についても記載することが重要です。これらの情報を明確にすることで、求職者は採用プロセスに対する不安を軽減し、スムーズに応募活動を進めることができます。
まとめ
今回、ハローワークの活用方法や、求人票の記入方法、そしてその利点について詳しく解説しました。ハローワークは、厚生労働省の管轄下にある公共の職業紹介所であり、その信頼性から求職者に対して安心感を提供します。さらに、適切に利用することで、企業にも様々な利点をもたらします。
もしハローワークの使い方に戸惑った時は、ぜひこの記事を参照してみてください。その中には、皆様がハローワークを最大限に活用するための情報が詰まっています。