座談会は、企業の関係者と求職者が一堂に会し特定のトピックついて話し合う場のことをいいます。
座談会の魅力は、求職者の疑問や不安を直接解消できるという点にあります。また、企業側からの情報発信を通じて、求職者の企業への興味や応募意欲を引き上げるメリットもあります。
座談会の内容を採用サイトに掲載することで、大勢の求職者に対して企業の情報を伝えることが可能となります。これにより、会社の雰囲気や働き方など、文字だけでは伝えきれない情報を広く発信できます。
この記事では、座談会を採用サイトに掲載するメリットと、座談会を成功に導くためのポイントを挙げています。採用サイトの作成や改善にあたって参考にしてください。
目次
- 座談会の特長と目的
- 《求職者と企業の視点》採用サイトに座談会を掲載するメリット
●求職者側のメリット
●企業側のメリット - 座談会を成功させる6つのポイント
●テーマを明確にする
●参加する社員を厳選する
●時間配分に気を付ける
●座談会の組み合わせを工夫する
●求職者が求める質問内容を考える
●求職者や社員が本音で話しやすい雰囲気をつくる - 《参考事例》採用サイトの座談会3選
●《社長と若手社員の座談会》三井物産スチール株式会社
●《女性社員座談会》日本車輌製造株式会社
●《一年目社員座談会》株式会社マイナビについて - まとめ
座談会の特長と目的
座談会は企業と求職者がフレンドリーな雰囲気で話合うのが特徴で、面接のような固い雰囲気とは、むしろイベントのようなリラックスした場で行われます。
面接では、企業からの質問が主となり、求職者はそのプレッシャーから自由に自分が思うように話すことが難しいこともよくありまが、座談会は多数の求職者が参加することで質問をしやすい雰囲気が作られます。
これらの座談会の目的は企業と求職者が互いに理解を深めることです。座談会では若手社員と求職者がリラックスした状態でコミュニケーションを取ることで企業と求職者との深いつながりが生まれます。これが後の採用活動に対する有益な情報として活用されます。
座談会のコンテンツを採用サイトに掲載することで、若手社員と求職者がフランクな雰囲気で会話している様子やその内容を見せることができるため、企業の魅力をより効果的に伝えることができるようになります。
企業説明会では、企業が求職者に情報を一方的に提供することが多くなりますが、座談会では社員が求職者からの質問に直接答えることができるため、求職者が本当に知りたい情報を得る機会となります。
企業も座談会で求職者の本音を聞くことができ、その意見を採用活動に生かすための貴重なヒントを得ることができます。座談会は求職者だけでなく企業にとってもメリットある機会となります。
《求職者と企業の視点》採用サイトに座談会を掲載するメリット
求職者側のメリット
企業説明会ではわからない情報がわかる
企業説明会は、採用担当者や人事担当者が会社の仕事内容や企業情報を紹介することが多く、求職者はそこで働くための必要な情報を手に入れることが出来ます。
しかし求職者は仕事の内容だけでなく仕事の充実感や企業文化など、実際に働いている状況をイメージできる情報も求めています。
座談会では、企業説明会では得られない実際に働いている社員の声を聞くことができます。求職者が働くイメージを具体的に描くための情報を得ることができます。
社員の本音に触れられる
求職者の中には入社前に不安を抱えている人もおり、現在働いている社員のリアルな声を聞きたいと思っています。
「入社を決めた理由」や「入社後に苦労したこと」など、入社前と入社後で感じたことを知ることは、応募の判断材料になります。特に不安を抱えている求職者に対しては社員の真剣な意見が共感を呼び、応募を後押しかもしれません。
求職者の本音を引き出すためには、会社の良い点だけでなく、会社の制度や雰囲気など気になる部分を聞くこともおすすめです。
自分が働くイメージが具体的になる
自分が選んだ企業で働くことに対する不安を感じる求職者は少なくありません。
座談会では求職者がいま抱えている不安や企業に対する疑問を、先輩社員に直接尋ねることができるため、不安や疑問を解消する手助けとなるでしょう。
仕事が自分に合うのか、会社のメンバーと馴染めるか、入社後にどういった苦労があるのかなど、求職者が抱いている不安を解消することで応募のきっかけを作ることができます。
座談会では現在働いている社員のリアルな声や、新入社員が入社後で感じるギャップなど、多くの情報が掲載されます。これらの情報は、求職者が自分が働く姿を具体的にイメージする助けとなります。
企業側のメリット
企業説明会だけではアピールしきれない自社の魅力を発信できる
企業説明会は企業の方針や具体的な業務内容などを求職者に伝える重要な場ですが、会社の雰囲気や共に働く仲間たちの印象については説明会だけでは十分に伝わりにくいことが多いです。
座談会という形式を取れば求職者とより密接なコミュニケーションをとることができ、自社の魅力を求職者に寄り添いながら伝えることができます。企業の魅力を伝えることで、応募者の数を増やす可能性があります。
求職者の本音を聞くことで、採用戦略を改善することができる
座談会では求職者と直接会話をすることで、彼らが抱える不安や企業に対する具体的なイメージを把握することができます。
求職者から直接聞ける「企業への期待」や「入社前の疑問や不安点」などの情報は、今後の採用戦略に役立つ内容が含まれていることがあります。座談会では、求職者から直接質問を受けることが多く、その内容から彼らがどのようなイメージを持っているのか何を不安に思っているのかを理解することができます。
これらの情報をもとに、座談会の内容を改善したり採用サイトの情報を充実させたりすることで、より効果的な採用戦略に活かせます。
ミスマッチを減らせる
採用のミスマッチが起きると、人材の能力が十分に発揮できないばかりか士気が下がり最悪の場合は早期退職につながるなど、企業にとって大きな損失になることがあります。
座談会で話し合った内容を採用サイトに掲載することで、入社前と入社後のイメージギャップを縮め、ミスマッチを減らすことができます。
座談会では社員の本音を直接聞くことができ求職者の不安や疑問も解消できるため、入社後のギャップを最小限に抑えられます。
社員同士の交流が活性化し、全体のモチベーション向上につながる
座談会は求職者と社員との交流だけでなく、社員同士の交流の場ともなるため社員のモチベーション向上やコミュニケーションの活性化が期待できます。
社員間の交流が増え絆が深まることで、離職率の低下や新入社員の育成にも役に立ちます。特に若手社員にとっては後輩ができるイメージを持つことで、仕事への意欲が高まるきっかけとなるでしょう。
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座談会を成功させる6つのポイント
座談会を成功させる6つのポイントは、下記のとおりです。
・テーマを明確にする
・参加する社員を厳選する
・時間配分に気を付ける
・座談会の組み合わせを工夫する
・求職者が求める質問内容を考える
・求職者や社員が本音で話しやすい雰囲気をつくる
それぞれ詳しく説明します。
テーマを明確にする
座談会の開始前には、質問事例や話すテーマをしっかりと決定しておくことが大切で、これらが不明確なまま座談会を進めると会話が生まれずに盛り上がらないまま終わる可能性があるからです。
テーマ設定は求職者からの質問に対する答えだけでなく自社のアピールにも大変重要で、明確なテーマがあることで求職者から投げかけられる質問に対しても適切に回答することができるようになり、自社の魅力をうまく伝えることができます。
またテーマを共有することは座談会中に会話が脱線するのを防ぐ効果もあります。これにより、円滑に座談会を進行することができるようになります。
テーマとしては会社の仕事内容や制度つまり会社の大まかな概要を選ぶことも一つの方法です。また仕事のやりがいや会社の魅力そして社員が会社に対して持っている想いなど、求職者が質問しやすいテーマを選ぶことも可能です。
会話が活発に進行するテーマを選びたいのであれば、企業側が答えやすいテーマを選ぶことをおすすめします。
参加する社員を厳選する
座談会の成功にはテーマに適した社員の選出が大変重要になります。そのテーマによって適切な社員を選ぶことが大切でこれにより座談会がより効果的になるでしょう。
新人向けの座談会の場合は各部署から若手の社員を選びましょう。これにより新人たちは、自分たちと同じ立場の社員から直接話を聞くことができ、よりリアルな職場環境をイメージすることができるようになります。
また仕事内容や業務を深く掘り下げたテーマの場合にはその分野のベテラン社員を選ぶことをお勧めします。彼らの知識と経験はテーマに対する深い理解を助け具体的な業務をイメージしやすくすることができます。
参加者が「一緒に働きたい」と感じる社員や「この人から学びたい」と思う社員を選ぶことは、座談会の魅力を引き立てるだけでなく人材の確保にもつながります。
座談会での討論は、単に盛り上げるだけでなく求職者に企業の魅力を伝える重要な場であるため、参加する社員は事前に話す内容をよく整理しどうしたら会社の魅力を伝えるかを考えてメンバー間で共有しておくと良いでしょう。
時間配分に気を付ける
座談会は求職者と企業側間でお互いに理解する貴重な場ですが、運営には注意が必要で特に注意すべきは時間配分です。理由としては計画せずに座談会を開催すると、話題が枝分かれしすぎて主要なテーマが話されないあるいは特定のテーマに話が偏ってしまうなど求職者が満足感を得られない結果につながる場合があります。
座談会の満足度を高めるためには設定したテーマをしっかりと伝えることと求職者が抱える疑問を解決することの両方が必要です。これらを適切にバランスさせるためには時間配分を事前に計画しそれをきちんと守って実施することが不可欠です。
具体的に言うと、各テーマに割く時間を決定し時間管理を担当するタイムキーパーを配置するなどして座談会を円滑に進行させるための準備を怠らないことが重要で、またリハーサルを行うなど事前準備も大切です。このような工夫により座談会はより有意義なものとなり、求職者の満足につながるでしょう。
座談会の組み合わせを工夫する
座談会は企業の内容を直接的に求職者に伝えるための有効な方法ですが、その組み合わせは話す内容や主題により柔軟に変更することが必要です。
たとえば新入社員が入社後のイメージを把握するためには同じ若手社員が話す方が理解しやすいでしょうし、仕事内容の詳細やその仕事を通じて得られる達成感などの魅力を伝えたい場合は経験豊富な中堅社員が語ることでより具体的でリアルな情報が伝わるでしょう。
「若手社員だけが知っている情報」や「中堅社員だけが語れる経験」などそれぞれの立場から得られる視点があるため、座談会の組み合わせはテーマと参加する社員、そして求職者の関心を考慮して適切な形にアレンジすることが大切です。求職者に対して自社の魅力をより効果的に伝えることが可能となります。
求職者が求める質問内容を考える
求職者との座談会では、彼らが本当に知りたいと思っている質問に対して、事前に答えを準備しておくことが不可欠です。以下に示すトピックは、その参考になるでしょう。
・自己紹介や経歴につながるエピソード
・職場に入る前に体験した特筆すべきエピソード
・入社した後に自分が直面した課題や感じた印象
・職場の人間関係や、仕事の中で感じる達成感について
・経験した失敗や、自己成長の物語
・自分が見つめている未来のビジョン
・求職者へ向けたエンカレッジメントメッセージ
求職者から頻繁に投げかけられる質問の一例を紹介します。
・入社を決意したきっかけを教えてください。
・入社後に直面した困難や厳しい経験は何ですか?
・失敗を経験した際、どのように立ち直り、モチベーションを保ち続けましたか?
・入社したことで得た素晴らしい経験や、得られたものは何ですか?
求職者や社員が本音で話しやすい雰囲気をつくる
座談会は求職者と社員の双方が本音で意見交換する大切な場であるので、本音を語りやすい環境を整えることが重要な点となります。
求職者にとって企業に対する期待や不安などを、社員にとっては、職場の良い点や働いていて悩んでいることなどをお互いに伝える場となります。これらの本音を気兼ねなく話せるような雰囲気を作ることで求職者は企業に対する安心感を抱くことができ、社員は自社の魅力を具体的に伝えることが可能となります。
そうした雰囲気作りの一例として、飲食を提供することやカジュアルな服装での開催を許可することなどあり、本音で話しやすいリラックスした環境を作り出す助けとなります。
座談会の形式も重要な要素です。テーブルに着席して会話する形式は、聞き手が集中して話を聞くことができますが、少々硬い印象を与えるかもしれません。自由に動き回るパーティー形式は、リラックスした状態で自然な会話を楽しむことができますが、消極的な参加者にとっては参加しづらいかもしれません。
開催の目的や参加者の性格会場の環境などを考えて、適した座談会の形式を選ぶことが必要となり、より効果的な座談会を実現することができるようになるでしょう。
《参考事例》採用サイトの座談会3選
ここからは採用サイトの座談会について参考になる下記の3つの事例を紹介します。
・三井物産スチール株式会社
・日本車輌製造株式会社
・株式会社マイナビ
《社長と若手社員の座談会》三井物産スチール株式会社
三井物産スチール株式会社では、座談会の形式を通じて、社長と若手社員の間で直接的なコミュニケーションを図っています。この対話の場では、若手社員が自由に社長に質問を投げかけることが可能で、その結果、社長自らが会社の魅力を語る機会を設けています。これにより、社長と若手社員の間の関係性をより密接にし、会社全体の風通しが良いことを感じ取ることができます。
一般的に、求職者が社長との接点を持つ機会は少ないものですが、このような座談会を通じて、社長が若手社員と気軽に対話を交わしている様子が伝わることで、企業の家族的な雰囲気を感じることができます。
さらに、座談会の中で社長が自社が求める人材像を明確に伝えることで、求職者は先輩社員の人間性や職場の雰囲気を理解しやすくなります。そして、それは彼らが自分がこの会社で働く未来を想像しやすくする助けにもなります。
《女性社員座談会》日本車輌製造株式会社
日本車輌製造株式会社における女性社員主導の座談会です。この記事では、製造業という男性が主導を握る業界においても、女性が活躍できる職場環境が整っていることを伝えています。
製造業と聞くと男性が主役の職場という印象が強いですが、日本車輌製造株式会社では女性社員が活躍しており、その魅力を他の女性にも伝えることができる座談会が開かれています。
会社独自の育児休業制度について、詳細に語られています。育休制度の充実度、産前産後の休業後の職場復帰のサポートなど、働く女性が抱える可能性のある懸念事項について、具体的かつ詳細に回答している様子が描かれています。
会社の制度を作る際に女性社員の意見が取り入れられていることが強調されています。これは、日本車輌製造株式会社が女性が活躍できる職場を提供していることを示しています。
一般的に、製造業は男性が多く、女性が働きにくいと感じることがあります。しかし、日本車輌製造株式会社のこの座談会では、女性社員が増えつつあり、その事実が求職者の不安や疑問を解消する一助となっています。
《一年目社員座談会》株式会社マイナビについて
株式会社マイナビにおける座談会は、新人社員が主役の舞台であり、彼らが入社前と入社後でどのように感情や考え方が変化したかを深く掘り下げた話題が中心です。
学生時代の行動パターンや性格についての深い自己反省から始まり、そこから入社後に抱いた感情や自己変革のプロセスについて語ります。入社前と入社後の心の変遷を詳しく聞けるので、これから就職活動を控える学生たちにとって、感情移入しやすいエピソードが多く含まれているでしょう。
数年後の自分のビジョンを描きやすくするような内容が盛り込まれ、新入社員が入社前後でどのように思考が変化したかを具体的に伝える形で進行します。
株式会社マイナビの座談会は、学生から社会人へと変わる過程でのリアルな話が特徴で、これから社会人になる学生にとって共感できるポイントが多く、また入社後の生活を具体的にイメージしやすい内容となっています。
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まとめ
企業の採用活動をさらに活性化させるための一つの手段として採用サイトでの座談会の活用について取り上げました。そのメリットや成功に導くための重要なポイント実際の座談会の事例といった具体的な情報を説明いたしました。
座談会の取り組みは求める人材の特性や自社の採用戦略によっていろいろあります。その成功の鍵となるポイントや具体的な事例を参考により効果的な採用活動を展開するために活用してみてください。
座談会は確かに応募数の増加に貢献しますが、それを掲載するための自社採用サイト作成には時間や人材が必要となります。そのため、そういったリソースの確保に困っている企業も少なくありません。そんな時には、高品質な採用サイトをリーズナブルな価格で作成できるリクデザを活用してみてはいかがでしょうか。初心者でも手軽に扱えるサポート体制が整っています。
採用サイトを活用することで、自社の認知度向上や応募数の増加といった利点があります。応募が思うように集まらない、面接や内定の辞退が多いといった課題に直面している企業は、自社採用サイトの構築を検討してみてください。
より効果的に優秀な人材を採用するために、会社の隠れた魅力を引き出す採用サイト作成サービスを提供するリクデザにご相談いただくのも一つの方法です。