皆様、美容業界における美容室や理容室の店舗数をご存知でしょうか。驚くべきことに、日本全国でその数はなんと約38万店にものぼるのです（令和4年度衛生行政報告例の概況『3 生活衛生関係』調査結果より）。比較のためにコンビニエンスストアの店舗数、約5万店（『コンビニエンスストア 統計データ｜一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会』調査結果より）を挙げてみると、その多さがよく分かります。

これほどまでに競争が激しい業界で、限られた求職者を獲得するためには、いかに美容師を志す人々からの注目を集められるかが必要です。それは決して容易なことではありません。

そこで今回美容師の採用における効果的な求人方法と、より多くの応募を引き寄せるための求人票の書き方についてのお伝えいたします。これを手に入れれば、あなたのビジネスも新たなステージへと進むことができるでしょう。

美容師の求人広告の作成方法とそのポイント

他の美容室の採用について、「我々と同じ業界なのに、どうして彼らの応募者数がこんなにも多いのだろう？」とか、「あの美容室はなぜ採用に成功しているのだろう？」と疑問に思うことはありませんか？

求職者は求人票を見るとき、どの部分に重点を置いているのでしょうか。そして、私たちは求人票を作成する際、どの部分に注意を払い、どのような情報を記載すべきなのでしょうか。ここでは、その疑問を解消し、求人票作成の改善ポイントを具体的にお伝えします。

 美容師の職種の使い分け方

求職者が仕事を探す際に重視するのは、求人検索エンジンや求人サイトで掲載されている「職種名」です。それが自分のスキルや興味に合っているかどうかが、その仕事に応募するか否かの大きな決定要素となります。そのため、人材募集時には、職種名を適切に使い分けることが重要となります。

職種名は一般的で理解しやすい言葉を使用することがおすすめされます。それは、求職者が求人情報を見たときにすぐにでもその仕事の内容を理解できるようにするためです。専門的な言葉や難解な言葉を使用すると、それが求職者にとって理解する障壁となり、応募の機会を逃してしまう可能性があります。

以下に、美容師の職種名の一覧を示します。

これらの職種名は、美容師という一般的な職種におけるさまざまな役割を示しています。それぞれの職種名が指す役割を理解し、自分のスキルや志向に合っていると感じる職種を選ぶことで、求職者は自分にとって最適な仕事を見つけることができます。

仕事概要の作成について

あなたが掲載する仕事の概要は、求職者を引きつけるための最初のステップであり、その職場で働く未来を具体的に描くためのツールです。この部分は応募者の数を増やすための鍵となるため、どのように書くかはがとても重要になります。

以下の要素を中心に、魅力的な仕事概要の作成を考えてみましょう。

ただし、求職者はたくさんの求人情報を比較検討しながら、最終的に応募先を決めます。そのため、他社と同じような内容の仕事概要では、印象に残らない可能性が高いです。

その対策として、競合他社の求人情報を調査し、「自社だけが提供できる特徴やメリット」を強調することで、他社との差別化をはかることが重要です。これにより、あなたの会社の魅力を最大限に引き立て、求職者にとって魅力的な選択肢となることでしょう。

 給与面に関して

美容師の職種は、他の業界や営業職などと比較すると給与がやや低めに設定されていることが多いです。しかし、美容師という仕事への情熱と共に、給与面での成長も視野に入れている方多いです。そんな将来を見据えた方々に向けて、給与の昇給見込みやステップアップの可能性を具体的に示すことで、より誠実な雇用環境を伝えることが可能です。

例えば、「月給20万円～30万円以上」の範囲での給与を提示します。昇給の例としては、
・入社1年経過後／美容師見習い／20歳の場合は…月給20万円
・入社3年経過後／前職で美容師経験3年／27歳の場合は…月給25万円
・入社10年経過後／店長職／30歳の場合は…月給30万円以上
といった具体的なパスを描くことができます。

給与についての概要を記載することも重要で、下記のように書くことをお勧めします。
私たちのシステムは、個々の美容師のスキルや経験を直接反映する形で給与が決定され、その結果、昇進のペースが他の美容室に比べて速いという特徴を持っています。これは、志高い美容師の方々にとって、大きな魅力となるでしょう。

 写真と動画に関して

求職者にとって、企業や店舗の雰囲気を具体的に感じ取ることができる写真や動画は、求職活動の重要な参考情報となります。特にビジュアルに魅力が詰まった職種、例えば美容師を志望している方々にとっては、店舗の清潔感や働いているスタッフの風貌など、写真や動画から受ける印象が大きく影響します。

写真や動画を活用し、自社の良さをダイレクトに伝えることで、求職者は「ここで働きたい」という感情や「楽しい職場環境で働きたい」という願望を自然と抱くことでしょう。その結果、求職者の応募意欲を引き立て、人材獲得に繋がることが期待できます。

 その他の注意点

情報の鮮度を保つことはとても重要です。求職者は企業のホームページや求人情報を通じて企業の情報を得ます。したがって、企業の提供する情報と求職者の理解が食い違うと、それが軋轢を生み、さらには問題を引き起こす可能性があります。

さらに、求職者を惹きつけるために実際には存在しない待遇や条件を掲示することは避けてください。仮にそのような虚偽の情報によって採用に至ったとしても、その従業員は長続きせず、早期に退職する可能性が高いです。その結果、採用活動にかかった時間、労力、そして費用がすべて無駄になってしまいます。正確で最新の情報を提供することで、求職者との間で信頼関係を築き、長期的な雇用関係を維持することが可能となります。

美容師の応募を集める求人の例

ここからは実際に求人の書き方をご紹介します。

 タイトル

【土日のシフト相談あり】スタイリッシュなサロンでの美容師募集
強みや職場の雰囲気が伝わるようなタイトルを工夫することが重要です。タイトルはあまり長すぎず、一目で理解できるように簡潔に表現することが望ましいです。

 概要

自社の特長や魅力を「募集背景」「入社後の期待」「自社で働くメリット」の3つの観点から伝えてみましょう。

【駅から徒歩3分！若手から経験豊富なベテランまで、活気あふれる優しいスタッフが揃っています！】
お客様が増え、新たなスタッフを募集しております。シフト勤務が可能なため、休みの取得や、家事や育児との両立も十分に可能です。現に、育児中のママさんも活躍中です。

当社では、スタッフ一人ひとりの経験やスキル、ブランク期間に応じた、充実した研修制度を用意しています。これにより、スタッフの皆さんが自身ののスキルを発揮できるよう支援しています。また、独立したいという夢を持つ方に対しても、独立支援制度を用意しています。一緒に楽しく、そして充実した職場環境を作り上げていきましょう！

 仕事内容

仕事の役割が多岐に渡る場合、それら全てを詳細に書き記すと、仕事量が膨大であるか、あるいは残業が頻繁に発生する可能性を感じさせてしまうかもしれません。

【主な業務：ヘアカットとカラーリング】
お客様のご希望をよく理解し、それに見合ったカットやブローを行います。

【時折、企画・広報業務も】
店舗の活気を保つためのアイデアを一緒に考え、または駅周辺でのチラシ配布などの広報活動にも参加していただきます。

※月間の残業時間は平均で〇時間程度となります。

仕事内容を大きなカテゴリーに分けてまとめ、さらに月間の平均残業時間を記載することで、読者には仕事内容が一目で理解でき、仕事量も把握しやすくなります。また、一日の作業流れを記述することも効果的な手法となります。

 募集要項

応募する方々にとって、どのような能力やスキルが求められるのか、そして企業がどのような人材と共に働きたいと望んでいるのかを明確に伝えることが必要です。その際には、短くても伝わるような簡明な表現を用いることを心掛けましょう。

また、募集要件は多ければ多いほど良いとは限りません。多すぎると、応募資格を満たす人が少なくなり、応募者が減ってしまう可能性もあります。そのため、必要不可欠な要件だけを選び出して記載することが肝心です。

例えば、美容師の募集要項では「長期的なキャリアを目指す方」や「経験は浅くても、ブランク期間があっても積極的に学びたいという意欲がある方」を歓迎するといった内容を掲載します。さらに、「常に笑顔で人とのコミュニケーションを楽しむことができる方」や「自分自身で行動を起こし、前向きに仕事に取り組むことができる方」など、人間性を重視した要件も加えると良いでしょう。

 自由記入欄

自由記入欄では、職場の環境や雰囲気について詳細に描写します。店内の人間関係や福利厚生の情報もこの部分に記述していただきます。

当店では確かな技術を持つスタイリストがお客様の美しさを引き立てます！
ネイルデザインやまつげエクステンション、エステティックサービス、ヘアセットなども特別価格（社員割引）でご利用いただけます♪
出勤すると「ねぇ、髪型変えたの？すごく似合ってるよ！」「そのネイル、とっても可愛いね！」といった楽しい会話が飛び交う、明るく活気のある職場です♪
これらの情報からもわかるように、当店ではスタッフ同士の絆が深く、和気あいあいとした働きやすい環境が広がっています。

美容師の求人方法

美容師に特化した求人方法を活用することで、求職者からの反応を効果的に引き出すことが可能です。多種多様な求人手法が存在しますが、特に美容師の方々が関心を持つ媒体を通じて情報を発信することで、より効率的に求人応募を集めることができるでしょう。

今回は、「美容業界特化の求人媒体」「ハローワーク」「美容専門学校」「自社採用サイト」の4つのカテゴリーに分け、それぞれの求人手法の長所と短所について詳しくお話しします。各手法の特性を理解し、あなたのビジネスにフィットする最適な求人方法を見つけていただくことが、本記事の目的です。

メリット
美容業界特化の求人媒体を利用すると、求職者が自身の希望に合わせて具体的に検索することが可能となります。これにより、企業側としては自分たちの要望に近い人材からの応募を獲得することが期待できます。また、地域を限定することなく、全国どの地域からでも求人を掲載することが可能なため、地元の求職者だけでなく、遠方にいる優秀な人材に対する募集も行うことができます。これは、広範囲の人材を対象にすることができるという大きな魅力となります。

デメリット
一方で、美容業界特化の求人媒体に求人広告を出す場合、応募や採用が実現しなくても、広告の掲載には費用が発生します。さらに、広告の掲載期間があらかじめ決まっているため、その期間内に適切な応募者が見つからない場合は、広告を継続するための追加の費用が必要となります。つまり、求人広告が成果を上げない場合でも、コストが発生するというリスクが存在するのです。

 ハローワークへ求人を出す

ハローワークで求人公告を行うことの長所は、その利用が無料であり、国から様々な助成金を申請し、受け取ることが可能であるという点です。また、求人を掲載するための条件や手続きが比較的容易なので、新規に人材を募集しようとする企業にとって敷居が低いという特徴があります。

しかし、一方でハローワークを使った求人掲載には短所も存在します。具体的には、働く人口が少ない地方では、求職者が十分に集まらない問題があります。さらに、求人情報の書き込みには一定の制限があり、画像を多く使うことが難しいため、企業の魅力や職場環境を伝えるのが困難な場合があります。

ハローワークの求人公告の方法についてさらに詳しく解説した記事を以下に紹介します。求人を出す前に一度確認してみてください。
→ハローワークの使い方・メリットと求人応募までの4ステップ

 美容学校への求人を出す

メリット
新たな人材を求める美容院にとって、美容専門学校への求人掲示は新卒者採用の優れたプラットフォームとなります。特に採用予算が限られている美容院にとっては理想的な方法でしょう。美容学校の卒業生が現場で活躍する様子や彼らからの直接のフィードバックを掲載することで、学生たちは自分が将来働くイメージをより具体的に描くことができます。さらに、学校のキャリアセンターとの信頼関係を築くことができれば、学内セミナーへの参加も可能となり、より広範な人材にアクセスできるチャンスが広がります。

デメリット
しかし、複数の学校に求人を掲載しようとすると、手続きに時間と手間がかかります。また、応募数を予測するのは困難であり、求人掲示が遅れてしまうと、早期に行動を開始した学生に対して求人情報を伝えるチャンスを逃す可能性があります。そのため、タイミングと準備は非常に重要となります。

自社の採用サイトを通じて求人募集を行うことには、多くの長所があります。まず、求職者はこのサイトを通じて直接自社に応募することができます。これにより、あなたの会社が何を提供しているのか、どのような企業文化を持っているのかといった情報を、正確かつ具体的に求職者に伝えることが可能となります。また、自社の採用サイトを活用することで、競合する他の企業との違いを明確に示すこともできます。その上、求人情報検索エンジンと連携させることで、さらに多くの求職者にアクセスしてもらうことも可能です。

しかし、自社採用サイトの運用にはいくつかの注意点があります。一つ目は、自社でサイトを作り上げるには時間とWebサイト制作に関する知識が必要となることです。特に初めてサイトを作成する場合、そのプロセスは複雑で時間がかかるかもしれません。二つ目は、制作会社にサイト作成を依頼すると、その費用が高額になることが多いという点です。そして最後に、サイトを常に最新の状態に保つための更新や維持作業も忘れてはならない重要な要素です。これらの作業は、一定の技術的な知識と時間を必要とします。

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まとめ

美容師の求人方法について悩むことが多いと思われます。特に、「どの求人方法が最適なのか」、「どのような求人票なら応募しやすいのか」という疑問は深刻です。

そんな方々に、我々は『リクデザ』とIndeedの同時利用を強く推奨します。リクデザは、あなたの会社の未発見の魅力を把握し、それを基に魅力的な採用サイトを作り上げます。これにより、求職者があなたの会社について理解しやすくなり、また「この会社で長く働けるだろうか？」というような疑問に対しても解決策を提供することが可能となります。これにより、応募者の数を増やすことができます。実際に、リクデザを導入したクライアントの中には、応募者数が3倍に増え、面接への参加者も増えたという報告を受けています。